第6話爆撃とバリア

刹那をアゴノから取り返したドルクスは、来馬・フヌガと一緒にドームに来ていた。

「ほら、あれだ。」

ドルクスが上空を指さすと、そこにはデスペラード・ダークフリーデンが宙に浮かんでいた。まるでアニメから出てきた敵の要塞のような、風格と迫力を感じさせた。

「何あれ!?ドラゴンのように見えるけど、なんかメカっぽいし・・・。ていうかもしかして、ドルクスが準備をしていたのってこれ?」

「そうだ、もっと爆撃しろ!!」

【了解!!ガンガン行くぜ!!】

デスペラード・ダークフリーデンは四つある砲台からビームを乱射させた、破壊力がすさまじく、攻撃前にあったものは跡形もなくなくなっていた。

「す・・・すごい、こんなものあったんなら私の計画の意味が無いじゃない?」

「確かにな、だから最終手段としてとっておいたんだ。」

「そうか・・・。でもこれ、誰が操縦しているの?」

「信さんだ、両手両足が無くても大丈夫、このデスペラード・ダークフリーデンは思考で操縦できるようになっている。つまり、信の思うままに動かすことができる。」

「何、その未来的な技術!!」

刹那は目を大きく開いておどろいた。

すると上空で大きな音が聞こえた、気づいた刹那が上を見上げるとデスペラード・ダークフリーデンが、遊撃隊から攻撃を受けていた。

「ああー!!攻撃されているーーっ!!」

「やれやれ、本当に悪あがきする連中だな・・・。」

ドルクスは空を飛んで、デスペラード・ダークフリーデンのところへと向かっていった。やはりデスペラード・ダークフリーデンがアゴノと下僕たちの手によって、攻撃されていた。しかしデスペラード・ダークフリーデンは、傷の一つもついていなかった。

『攻撃がまるで通用しない・・・、装甲にダーク・パワーストームが使われているな。これは破壊するのも苦労しそうだな。』

「そうですね、あんな兵器を持ってくるなんて思いませんでした・・・。」

「とにかく、あの兵器に大きな穴の一つは開けないとなあ!!」

「ああ、何としてでも止めなければならないんだ。」

「ええ、これ以上の破壊はさせません!!」

アゴノと下僕たちはデスペラード・ダークフリーデンを、何としてでも止める気持ちでいた。

【君たち、そこをどいてくれないか?ぼくはこのドームを破壊しなければならないんだ。】

『いや、このドームはもう壊せない。私がここにいる限りはな。」

【何を言うか、このデスペラード・ダークフリーデンに壊せないものはない!!】

そう言うと、デスペラード・ダークフリーデンは再び乱射を始めた。

ところが奇妙なことにドームの破損が前よりも少なく、それどころかドームの壊れたところがみるみる再生していくのだった。

【何だこれは!!破壊したはずのドームが、再生しているだと!?】

「どうだ!?これがアゴノ様の無限再生力!!」

「どんなものでも、完璧に再生させるこの力。あんたじゃ、この再生にはかなわないわよ。」

グリムディーンとヒカリは得意げに言った。

【ぐぬううううーーーーっ!絶対に許さんぞ!!このドームは何としてでも破壊するんだ!!】

『さて、できるかどうかやってみるか?それじゃあ、行くぞ!!』

こうしてアゴノと下僕たちとデスペラード・ダークフリーデンとの戦いが始まった。

ワイバーンに乗ったアリゲーターナイトとジャージーペガサスに乗ったデカンクラッシュタイガーが、小回りの利いた動きでデスペラード・ダークフリーデンに攻撃していく。

アゴノはドルクスと熾烈な戦いを繰り広げ、グリムディーンは敵全体への遊撃、ヒカリは他のみんなのサポートをしている。

デスペラード・ダークフリーデンは巨大さ故に小回りが悪くも、防御力の高さがそれをカバーして、攻撃を受けても微塵もダメージを受けない。

『アリゲーター、デカン!!そっちはどうだ?』

「それが・・・、まるで手応えがありません!」

「こんなのは初めてです。アゴノ様、いかがいたしましょうか?」

『よし、私が行くぞ!!ドルクスの足止めを頼む。』

「承知しました!!」

アリゲーターナイトとデカンクラッシュタイガーが、ドルクスのところへと向かって行った。

「おら!こっちだ、ドルクス!!」

「ここからはおれ達が相手だ!!」

「いざ、参るぞ!!」

「くっ・・・、相変わらず邪魔ばかりする連中だな・・・。」

『ありがとう、下僕たち!!』

そしてアゴノはドルクスからデスペラード・ダークフリーデンへと攻撃対象を変えた。そしてパワー・ストームの力を込めた一撃を、デスペラード・ダークフリーデンに向かって放った。

「パワー・ストーム・バースト!!」

【グアアアアアアーーーーーッ】

その一撃はこれまでとは違う衝撃をもたらしたが、デスペラード・ダークフリーデンに致命傷を与える一撃にはならなかった。

「これでもダメか・・・。」

【無駄!!効かん!!通用しないーーーっ!!デスペラード・ダークフリーデンは、いかなる攻撃も受けない究極の兵器!!さあ、私を倒すことを諦めて、ドームに施したバリアを解除するんだ!!】

「そうはいくか!いかなる攻撃を受けないものなんて、この世には無い。攻撃できる時は必ず来るはずだ!!」

【アハハ、バカだよこいつ!!攻撃が通用するって、未だに思っているんだ!!ありえないよな、ドルクス。】

その声にドルクスはこう返した。

「確かに今のままを維持すれば攻撃は受けない。ただし、そろそろ代償としての効果が発動する時だ。」

『代償としての効果・・・?』

【・・・は?それはどういうことだ!?】

するとデスペラード・ダークフリーデンのシステムが一時停止した、そしてシステムアナウンスの声が聞こえた。

【基本システム削除、ダークフリーデン・ノブァハイパーシステムを起動します。】

するとデスペラード・ダークフリーデンはうずくまった姿勢になると、体が熱エネルギーを帯びて赤く光り出した。

「さあ、これから残り三分・・・。その後には、君のバリアでも防ぎ切れない大爆発が始まるのだ!死にたくなければ、下僕たちを連れて逃げたほうがいいぞ?」

『ドルクス・・・、お前ってやつは・・。』

【おい待てよドルクス!!大爆発ってこの機体が爆発するということか?】

「そうだよ、デスペラード・ダークフリーデンは攻撃には無敵な代わりに、一定の時間が過ぎると強制的に自爆する仕組みになっているんだ。」

【そんなの聞いてないぞ!なぜ言わな・・熱い熱い!!】

「だって、最終兵器は重要な秘密だからさ、例え味方でも口外しないのが当然だ。」

『ドルクス・・・、貴様・・・。』

「それじゃあ、ここで失礼するよ。刹那と仲間たちは、返してもらうから。」

アゴノが顔をしかめると、他の下僕からのテレパシーで「捕らえた者を奪い返された」という知らせがとどいた。

そしてドルクスは刹那のところへ戻ると、刹那を連れてワープしてドームから脱出した。

【グアアーーーーッ!!ギャアーーーー!】

『爆発を止めるしかない・・・。アリゲーターとグリムは私に手を貸せ、デカンクラッシュとヒカリは下僕たちのことを任せる!』

「承知しました!」

四人の下僕は、それぞれの役に回った。

デスペラード・ダークフリーデン自爆まで、残り一分半。

「ダウンストームダウン!」

アゴノはデスペラード・ダークフリーデンのエネルギーを下げようとした。

「アゴノ!受け取れー!」

「我が力を、アゴノ様に!!」

アリゲーターナイトとグリムディーンが力を貸して、「ダウンストームダウン」の効果を高める。

自爆まで一分・・・、五十・四十・三十・二十・十・九・八・七・六・五・四・三・ニ・一・・・。

そして、デスペラード・ダークフリーデンは爆炎を放ち自爆した。








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