第14話

 光の粒子となって、手元に集まった姉さんを掴むと、突如剣になった。だが、その剣の形は初めて見る形で、本当に剣なのかすら分からなかった。––刀身は片手剣より少し長めで大剣とかと比べると少し短い。刀身の根元の所に、小さなリボルバーが付いている。そして、柄の握る所に引き金が付いてて、握るとちょうど指にかかる為、握ったら1度は引き金を引くようになってる。ただ、銃口が付いておらず装填されてる玉がどうなるのかが分からなかった。


「ほぅ~、君の武器は変わった形をしてるね? 今までそんな武器を使ったことはあるのかな?」


「いえ……俺も初めて見ました」


 どうやら先生も、初めて見る武器らしい。

 一体どう扱えば……そう思った時、いきなり頭に色々情報が流れ込んできた。


(レイ! 頭の中に扱い方流れてこなかった!?)


(あぁ、今俺も流れてきてこの武器の使い方が、わかったんだが……)


(言いたい事はわかるわ。私もだから)


(姉さんも知らないことなのか!?)


(ええ……1度試してみないと分からないわね…)


「おい! グローレイン君!」


「はっはい!」


「心配したぞ! たまに情報が流れ込んできた時、意識を失う生徒がいるからな」


「もう大丈夫です。心配かけてすいません」


 俺は、軽く謝り、また姉さんと話そうとした。


「せっかくだから、今から模擬戦をやろう! 他の生徒は、このままここで観戦するように! 調律師同士の模擬戦が、どのようなものなのか、よく見とくように! と言ってもグローレイン君はまだ完全に力を発揮出来ない状態だが、それはまた次回教える。でわグローレイン君は模擬戦場に一緒に来てくれ!」


「「「はい!」」」


 俺は先生について行こうとしたら声をかけられた。


「レイジ凄すぎやろ! ウチ精一杯応援しとるから!」


 ユーリはまるで自分の事のように喜んでくれてた。


「ありがとうユーリ。勝てなくても、精一杯やってくるから」


「やるからには手加減無しで精一杯頑張りや♪」


「あはは…」


 どちらかと言うと手加減される側なんだよな……


(あらあら♪ ここまで応援されたら頑張らないとね♪)


(わかってるよ。やれるだけやってみるよ)


 俺は、観戦場を出て、模擬戦場へ向かった。


「グローレイン君来たね?それじゃ模擬戦始めようか。初手はグローレイン君からで良いから好きなタイミングで来なさい」


 またか……仕方ないとは言え、手加減されっぱも嫌なもんだな。


接続コネクション


(うふふっ♪ 頑張ろうね♪)


 そう言って俺は武器を構えた。片手で握りしめた時一緒に引き金を引いた。


 ガシャン!

 金属がぶつかる様な音が聞こえたと思ったら、突如体にピリッと電気が走ったのを感じだ。


(頭に入ってきた通りだな。確かに身体が軽く感じる)


(身体能力が5%ほど上がってる感じだね)


(姉さんそんな事も分かるのか?)


(何となくね♪ それよりレイ気合い入れていくわよ!)


(もちろん!行くよ姉さん!)


 俺は思いっきり地面を蹴った。何時もよりスピードが出て焦りながらも、それを悟られないように一気に駆け抜けた。


 先生は一瞬驚いたが、すぐに構え迎え撃とうと槍を突き出してきた。その動きを見た時俺の視界に、突如残像的な先生が現れ少しブレた動きがあった。俺は頭ではその情報が得ていたが実際に見るのとは、話が違い俺は大きくその場から距離をとった。


(落ち着いてレイ! 残像の位置さえ交わせば良いだけなんだからね!)


(わかってるよ姉さん。今のはイメージと違ってたから焦っただけで、もう大丈夫だよ)


 先生は突き出した槍をゆっくり戻し、俺の方を見つめていた。


「グローレイン君今のはなんだい? まるで…」


「次こそ行きますよ先生!!」


 俺は困惑している先生を無視してもう一度引き金を引いてから一気に駆け出した。


 先程よりも早いスピードで距離を詰められた為、先生は完全に驚き反応が送れた。俺は、試験の時のトールさんの動きを真似て背中から思いっきり先生頭めがけ振り下ろした。


 ガギィーン!


 ガチガチと武器同士が軋む音が聞こえた。間一髪先生は槍で俺の攻撃を受け止めていた。


(ちっ!片手だったから勢いが軽かったか!)


(レイ! 蹴りくるよ!)


(わかってる!)


 俺は先生の蹴りが脇腹に来るのがわかってたから、蹴りが来る方向とは、逆に飛んで交わし、先生とまた対峙した。


「これでまだ、本来の力が出せないとは、正直信じられないな」


 そう言ってるが、実際先生はほとんど息も切らしてなく、汗もかいてなかった。それに比べ、俺は呼吸が少し乱れ、汗もかなり出ていた。


 なんなんだよこの差は! 俺は奥歯をギリっと噛み締め先生を睨みつけた。


「さてと、これで模擬戦を終わるか、生徒たちにも今までと次元が違うってわかって貰えただろうしな」


 そう言って先生は、模擬戦を終わらせようとした。


「先生! まだ終わらせませんよ?」


「君の実力も武器の性能や能力もわかっただろ? これ以上は他の生徒と差が開くばかりになる」


「いえまだなんですよ。僕には1


「もう1つ? だと?」


 先生もどうやら初めてなのかもしれない。俺は一旦深呼吸して息を落ちつかせ、静かに念じた。


(スタイルチェンジ)


 俺の持った剣は光の粒子に変わり変化し始めた。

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