13 孤独は人を死に至らしめる病である。
とても深い闇がある。
それは死?
私はもう死んでいるの?
私はもう幽霊になっているのだろうか?
それとも私は誰かの見ている夢に過ぎないのだろうか?
私は今、生きているのだろうか?
私は夢を見ているのだろうか?
……わからない。
わかるのは痛みだけ。
痛みだけが、私に生きている証をくれる。
真っ赤な血を見ながら、そんなことを私は思う。
深く傷つくことでしか、癒せない傷がある。
孤独は人を死に至らしめる病である。
幽霊 ホロウ 三人目 水玉ひかり(なんにも知らない子)
そのまま二人が自分たちの教室である『666号教室』のドアの前まで移動をすると、そこにはすでに幽霊(ホロウ)の最後の一人である、水玉ひかりの姿があった。
ひかりはいつものように一人で誰よりも最初に666号教室の前までやってきていて、その廊下の反対側の壁に背中を預けるようにして床の上に体育座りをして座り込んで、そこでなにかの(もうぼろぼろになっている、とても古い)小さな本を一生懸命になって読んでいた。(その本はなに? と以前にかげろうがたずねるとひかりはにっこりと笑って『聖書』だとかげろうに言った)
ひかりはやってきた二人の姿を見ると、にっこりと笑って、本を読むことをやめて、廊下の上に立ち上がった。
ひかりはぽんぽんと両手で黄色いコートについた埃を手で払った。
「おはよう、かげろうくん。よぞらくん」
ひかりはとことこと歩いて二人と合流すると、にっこりと笑ってそう言った。
「おはよう、ひかりちゃん」
「うん。おはよう。ひかりちゃん」
かげろうとよぞらはひかりに挨拶を返した。
これで今年の幽霊の学校の生徒である三人の幽霊(ホロウ)たちが集合した。
三人は三人一緒に並んでドアの前に立つと、とんとん、とドアをノックしてから自分たちの教室である666号教室の中に入って行った。
(教室の中からは「はい」と珍しく返事があった)
すると、もう教室の中には、『浮雲ひまわり先生』の姿があった。
「あら、おはよう。みなさん。今日は随分と早いんですね」とひまわり先生はその美しい顔をほとんど変化させないままで、かげろうたち三人の幽霊(ホロウ)に向かってそう言った。
(ひまわり先生はその白い手袋をした右手にびりびりと青白い電気を放つ、『お仕置き用の電気鞭』をしっかりと今日も持っていた)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます