第17話 料理研究

 店舗の近くの店を周り挨拶をしていく。


 隣の果物屋は前も行った事がある店で、覚えていてくれたみたいだ。八百屋や服屋、パン屋などもあった。パン屋にあったジャムが少量なのに5000エルもして驚いたが、味見のために一つ買っておいた。


 挨拶も終わり、店舗の厨房で買ったジャムを食べてみる。


 パンにつけて食べると、異様な甘さが体に染みてきた。これは体に悪い甘さだな。

 自分で作ったジャムよりも甘いが、これを毎食食べるのは無理だ。

 貴族の世界ではこのジャムを食べているらしいが、そのせいで太った貴族も多くいるみたいだ。


「完食は無理。美味しくない。」

 一つわかった事がある。これが一般的ならジャムは売れない。

 いや違うな。売れる!

 普通ジャムなんて毎日食べないから大丈夫か。そうか!俺は毎日食べているが、普通はたまにしか食べないから大丈夫だな。俺が作ったジャムが一般的になれば、ジャムは美味しい物と定着するのだ。


 これは面白いな。


 そのせいでジャムを作っていた商会が一つ破産するのだが、キャンディはまだ知らない。


「売れる商品を考えようかな。」

 ジャムとフルーツジュースだな。ビンとコップは回収すれば何度でも使えるからな。


 キャンディは必要だな。木の棒に直径10センチ丸いキャンディを売ろう。イチゴやグレープ味のキャンディだ。子供のおやつにしようかな。

 大人向けに飴玉として小さなキャンディも同じ味で作ろう。


 キャンディは、果物と水と魔力を込めれて『キャンディを作る』と混ぜれば完成する。作業工程はジャムと同じだがキャンディになるのだ。

「そうか。キャンディの型が必要だな。」

 普段は売ることを目的にしてないので形が不揃いだが、売り物となれば綺麗な形にしないといけない。


 鍛冶屋に注文しないとな。


 次はクッキーかな。小麦粉とバターは高いからミルクで代用して、魔力を込めれて混ぜて焼けば完成だ。


 ユニークスキルが無ければ、出来ない作成方法だな。


 小麦粉とミルクを空間収納から出して混ぜていく。

 そうか!また型がないのか。

 これも注文しないといけない。


 ひとまず形が不揃いのクッキーが完成した。ミルクの風味のクッキーだ。一口サイズのサクサクのクッキーになっている。


 一つ原価2エルで出来る。10個入り50エルで売ろうかな。


 果汁入りのクッキーもいいな。

 ミルクにイチゴやグレープ、オレンジの果汁をまぜてクッキーにする。


 これは10個入り80エルにしよう。


 後は、何を作ろうかな。鍛冶屋で必要なものと言えば、グレイトボアの骨があるから必要なものは注文しようかな。

 鍋とクッキーとキャンディの型を注文するだろ。包丁やまな板も欲しいな。


 次はシフォンケーキでも作ろうかな。ふわふわのパンだし。


 小麦粉と卵を混ぜて魔力を込めて焼けばふわふわのパンが完成する。甘いお菓子パンだ。

 これも型が必要だな。


 必要な物を紙に書いて、鍛冶屋に注文に行く。同じ鍛冶屋に行くと作業が間に合わないので、別の鍛冶屋に注文した。


 注文の品は3日で出来るらしい。


 それなら4日後に営業開始だ!


 今日は店の鍵を閉めて、宿に戻って今日は休もう。


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