第16話 店舗契約

 宿で朝食を食べてから、商業ギルドへ向かった。


 作業する場所が必要なのだ。


 商業ギルドに入ると、コルトさんの姿が見えない。女性の受付職員しかないな。

 副ギルドマスターだから、受付にいないのかもしれない。

「おはようございます。副ギルドマスターのコルトさんはいますか。」


「コルトさんですか。少々お待ちください。」

 女性がコルトさんを呼びに行くとコルトさんが走ってやって来た。


「おはようございます、キャンディ様。お話はこちらで聞きますので。」

 コルトさんに連れられて副ギルドマスター室に連れていかれた。


 テーブルに向かいあい、椅子に座り話し出す。


「今日は店を借りたいのですが。ジャムを作る作業場があれば、良いのですが。」


「作業場ですか。広さは1人用から大人数用まで5つあります。店舗をするなら、こちらなんてどうでしょう。」

 コルトさんは、さまざまな物件が載った紙を見せてくれる。


「作業場は2人で少し広いくらいで、店舗も10人入れれば問題ないですね。」


「それならこちらは、どうでしょう。近くに食料品を売ってる店がある並びです。串焼きなどの匂いから離れた場所なので、甘い食料品に合ってますよ。」

 コルトさんが自慢げに話している。


 この物件は、近くに果物屋や八百屋などがある場所だ。一軒家で空き家になり、商業ギルドで管理しているらしい。


 宿からも近いからありがたいな。1人で住むなら宿がらくだ。安全だからね。


「こちらの店舗は、月50000エルのところに私の力によって月40000エルになります。キャンディ様ならば、商品を増やせば問題ないですよ。1日でこれだけ稼ぐのですから。」

 コルトさんは、ギルドカードでの決済を見たらしい。担当者は見ることが出来るのだ。


「そうですね。その場所をお借りします。」


「それでは契約してしまいましょう。」


 ギルドカードを出して、店舗を契約する。


「こちらが店舗の鍵になります。一緒にいきましょう。」

 コルトさんと一緒に店舗へ向かう。


 木造の一軒家で2階もある広めの庭付きの家だ。入り口に入ると広いスペースがあり、商品棚が並んでいる。カウンターもありその奥に厨房が見えた。

 埃もなく清潔に管理されていて安心した。


「どうですか。棚に商品を並べカウンターで買い物をする。厨房で料理などの作業も出来て、二階は居住スペースになってます。」

 コルトさん説明してもらい、満足した店を借りる事ができた。


「キャンディ様の店として、看板や旗を作ると良いですよ。分かりやすいマークなどもあれば、良いですね。」


 確かに。お菓子屋としてマークは、欲しいと思っていたのだ。ジャムのビンやコップにマークを入れて販売したいな。


「木の棒に丸いキャンディのマークにしようかな。子供が舐める飴のやつで。」


「ほう。自分の名前からキャンディと関連するのですか。店の名前はどうしますか?」


「普通にキャンディスイーツにします。商会の名前を広めれば今後店舗を増やせるかもしれませんし。」


「良いですね。ビンや看板は、鍛冶屋で作ってもらいましょう。」


 コルトさんと共に鍛冶屋へ向かい注文する。


 店の看板をデザインして注文した。

 木のコップを500個。

 ジャムのビンは、パン30個分と50個分を各1000個分。店用にパン100個分の大きさで注文する500個だ。

 キャンディのマークを入れてもらう様に注文した。


 ビンは1個100エルと200エル。店用が500エルになった。大きくなるごとに高くなっていく。

 看板は20000エルだ。お金は出来てから払うので、急いで稼がないと足りなくなってしまう。


 注文を終えギルドカードで契約する。

 3日ほどかかるらしいので、また取りに来よう。


 コルトは、また3日後に店に行きますと言って帰っていった。


 俺はやることがないので、フルーツを大量に買い、店でジャムを作る事にした。

 他にもいろんなお菓子が作れそうだな。


 店で料理でもしようかな。



 店に戻り料理の研究を始めるのだ。




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