第141話 DATE組のパピリオン

東北にはしまづの県と同じように、県の名前がそのままお菓子メーカーの称号と同じところが存在します。

それは日ノ本東北に位置するだてです。


ちなみに県名は「だて県」であり、お菓子メーカーの名前はDATE組です。

ここもしまづと同じように会社の経営が苦しい状態でしたが、社長の独眼竜まさむねはナニワ万博を自分たちの魅力を見せつける好機とみなしていました。


そのDATE組のパピリオンは緑と美しい木をモチーフにした爽やかな建物でした。

しかし、その建物とは対照的に、野外での見世物としてまさむねとDATE組社員によるバイクのパレードが行われて、観光客の度肝を抜いていました。


そのパレードが終わると、社長のまさむねがバイク乗りの姿から、板前の姿に華麗に変身しました。

そして、彼の周りにいるヤンキーっぽい社員たちも社長に合わせて変身!今度は全員が角刈りの爽やかな板前姿になってお客さんを招待します。


すると、パピリオンの上部に隠された看板の布がぱらりとほどけて「居酒屋、お食事処DATE!」という派手な看板が登場しました。

そうです!DATE組は居酒屋をコンセプトにした大掛かりな店を準備しました。


中を見ると、まさむね自らが料理を作っている姿があり、その周りには沢山の板前が同様に調理をしていました。


実はこれには理由があります。

社長のまさむね自身、料理を作るのが得意で、しかもその奇想天外な発想は数々の創作料理を発明しました。


そして、まさむねと普段働いている社員の中にもそれに感化して料理をたしなむ者が多く現れました。

その料理は沢山の種類に上り、それぞれが色鮮やかでセンスの光る品々でした。


それと、だて県は水が清く、酒がうまく、米も美味しいので全国レベルで見ても十分観光客を満足させる料理を提供することが出来る、まさむねは地元の良さをよく知っていてこの大一番にそれを生かそうと考えたのです。


そして、食事やお酒を楽しんだ客に対して、デザート、またはお土産としてDATE組の名物「すんだ餅」を提供していきました。

DATE組のもてなしは爽やかさと刺激、目立つことと楽しむことを両立した斬新なものでした。


DSTE組もしまづと同じく会場の端っこという必ずしも良立地ではありませんでしたが、派手なセレモニーで沢山の人の目を引き、料理で満足させて行きました。

まさに大成功と言ったところでしょう。


※伊達政宗が料理に凝っていた記述は多くあります。

ずんだ餅についても伝承として政宗が作ったという言い伝えもあります。おせち料理や伊達巻に関しても政宗の名前が出るほど、料理と関連づけされる人物でした。(あくまで言い伝えでそれより前に存在したとの話もあり)


余談ですが、仙台味噌は味噌が初の量産化に成功したもので、戦の時にとても便利だったという話もあるそうです。



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