第126話 ナニワ万博!サンサン商事の事情

ココはサンサン商事。

巨大なビルが建ち、日ノ本一の威厳を誇るお菓子メーカーである。

今日は久しぶりにみつなりがハシビロカーで帰京し、ひでよしにしまづの内情について報告と指示を仰ぎに来ました。


巨大なビルの最上階!

ひでよしを中心にU字型の机に役員たちがそろってみつなりの報告を聞くために集合しています。


まず、ひでよしがみつなりに問います。

「しまづの様子はどうじゃ?」

みつなりの頭の中の回答は「よしひろとその派閥以外、しまづの多くは非協力的です」


しかし、そんなことを言えば、ひでよしの勘気を被るは必定です。

そこでみつなりは別の言葉で報告します。

「しまづの頭であるよしひろは従順に従っていますが何せしまづはド田舎です!丁寧に指示をしても理解するのに時間がかかります、物わかりは悪いですがもう少し時間をいただければ形になるでしょう!」


この報告を聞いて、ひでよしは満足したようです。

目ざわりと思うよしひさを含め、しまづが素直に従っていると知れば悪い気がしないひでよしでした。


その一方でみつなりの横で話を聞いていた常務のまさのり、きよまさなどの反みつなり派からは、みつなりの傲慢な物言いに不満を漏らしていました。


「しまづの頭が悪いのではなく、みつなりの指示が回りくどいのではないか?むしろしまづがかわいそうというものではないか?」

そんな、大声のささやきがあちこちで起きます。


みつなりとしては言いたいことが山ほどありましたが、よしひろとしまづの従順、純心な社員の為じっと我慢しました。

こうして、またしてもみつなりはしまづのために盾の役割を果たしたのでした。


ただ一人、ひでよしの隣に座るひでながだけは何かに気づいたようですが、しまづに関して動きはありませんでした。

むしろ、しまづの事は些細な事で、ひでながは役員たちに次の点に注意を喚起しました。


「ナニワ万博はサンサン商事が日ノ本の覇者であることを示す大事な行事である。全国規模のイベントを我々が主催することで、オダを初め全国の企業に号令してわが社が一番であることを示すのだ!」


つまり、このイベントを成功させることで日の本一はサンサン商事であることを全国に知らしめるというわけです。

その話を傍らで聞いていたひでよしは満足そうにその話を聞き、彼を取り囲む大勢の役員たちの士気は存分に上がり、盛り上がりました。


もうこの時には最初のしまづの話はほとんど吹き飛んでいました。

みつなりは何とかやり過ごすことが出来たのです。!



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