第122話 偉くないけど偉さを選んだみつなり

よしひろはみつなりの元に度々訪れ、状況を説明しました。

ここで、みつなりから見てよしひろがどのように映ったかを推測してみましょう。

まず、よしひろは正直でした。


彼の言葉は武闘派であれば面目を失うとして、隠したりごまかしたりする内容でしたが、よしひろは人柄が真面目で純朴だったためそうした嘘の報告をしようとは考えませんでした。


よく、みつなりは武闘派と相性が悪く、現場の意見を聞かないという評価を聞きますが、必ずしもそういうわけではありません。

彼は、とてもまじめな人間なので報告などの場合は嘘を嫌い正直であることを大切に考えていました。


武闘派の中でも正直であったり、己の分をわきまえる者たちに対して、みつなりはとても信頼に足る人物でした。

彼の部下のしま、まいの、がもうなどは立派な武闘派でしたが、彼によく従いました。


みつなりの興味深い所は、相手が困っていると素直に言えば、彼なりの配慮を示し、知恵を授けることも多々ありました。

よしひろが会社の実権を握れず、時間がずいぶん経過していてもペナルティがなかったのはみつなりの格別の配慮があったからと推察できます。


例えば、よしひろがみつなりに正直に出来ない事は出来ない、そしてその理由も丁寧に正直に話したのであれば、あれこれ提案をしたと考えられます。


あるいは、ひでよしに対する不満がしまづに渦巻いている問題については、みつなりが表に立ってしまづの社員やサンサン商事の役員に対する不満のはけ口になったことも考えられるでしょう。


つまり、ひでよしやひでながに代わって悪名をみつなりが一手に引き受けサンサン商事の代表として振舞ったということです。


こうして、よしひろとみつなりは問題を暴発させないためにしまづ、サンサン商事両方に対して責任を持ち、問題を解決する無二の同盟者になったのではないでしょうか。


では具体的にどんな感じでよしひろとみつなりは四面楚歌の状況を乗り切ったのか、見てみましょう。



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