第108話 としひさ失脚!?

みつなりのいるこんぺいとうは一時しまづ社員のデモ隊によって混乱しました。

その首謀者のとしひさはよしひろの短い説得の後、身を引きました。

そして、デモ隊も帰宅して、みつなりとよしひろは二人きりになりました。


みつなり曰く 「このような無礼!ただでは済まない、分かってますな?よしひろ殿」

よしひろ曰く 「分かっています、しかしUSO800の導入はすぐには到底実現できません!」


みつなり曰く 「ならば、こう説得するのです!ひでよし様の命令であり、それに逆らえばしまづの取りつぶしもあるとこのみつなりに言われたと話すことでしまづをまとめてはどうか?」


よしひろ曰く 「事実はどうなのですか?」

みつなり曰く 「今すぐ取り潰すことがないように私も上手く報告する!今回の件もしまづ本体に影響が出ないように穏便に報告する故ご安心下され!」


よしひろはみつなりの細かい気配りに感謝しました。

最後にみつなりはこう言って会話を閉じました。

「そのかわり、としひさ殿については厳罰はまぬがれませぬ、これはよしひろ殿の仕事ですぞ!」


こうしてよしひろはみつなりの元を去り、しまづ本社にいるとしひさに会いに行くことになりました。

本社の会議室にいたとしひさは何かを悟ったような顔をしてすっきりしていました。


そんなとしひさを見てよしひろも悟った様子で言葉をかけます。

「お疲れさまでした、もう覚悟されているでしょうが専務の職を解任させていただきます、今後は相談役という形で第一線からは退いてもらいますのでそのつもりでいてください」


としひさは理性の伴った声で「それでよいのです、ただ兄者よ、しまづの社員ととりわけあの兄者をこれから説得するのは難儀なことになるでしょう!私が動いたのはその兄者たちの暴走をとめるためだったのですから!」


この言葉にある兄者たちとはもちろんよしひさとそれに与するしまづ社員たちの事です。

つまり、としひさのこの乱心とも思える行動はよしひさとみつなり、両方の暴走を防ぐ目的だったとよしひろはこの時理解しました。


よしひろは良い弟を持ったことを神仏に感謝しながら、家路に帰りました。


※島津メモ 史実ベースで見ると歳久は三成ではなく秀吉に対して奇襲を行っています。

また本作の場合、医学が発達していることにより、歳久が弱り切っていない状態に設定されています。




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