第105話 USO800!
みつなりはある提案をしました。
「USO800」をしまづの全工場に導入しましょう!!
USO800とはユニオンオブオーガニゼーションフォースタンダードの略語であり、簡単に言えば、工場の全工程をマニュアル化し、それを人間がロボットのように言われた通りに作業するシステム全体の事を指す用語です。
端的に言えば、職人芸を排して言われた通りのことをするシステムです。
これにはよしひろもびっくりです。
何故なら、お菓子の製造工程は職人技が基本であり、大量生産というのはあくまで数を多く作るための手段にすぎませんでした。
それを大量生産することと職人技を排除することをいきなりやらしたら、しまづの社風からして大混乱を起こすことは必死です。
よしひろはみつなりに対して好意と尊敬の念を確かにこの時持っていましたが、これは到底受け入れられないと思いました。
「みつなり殿これはさすがに無理です、考え直してください!」
よしひろはみつなりに懇願と否定の入り混じった声で訴えます。
それに対してみつなりは「サンサン商事はこの方法で会社の生産力をアップしてきました!ここで近代化しておかないとしまづは飲み込まれることになりますがよろしいですか?」
これは、みつなりなりのしまづへの温情とサンサン商事の影響力を強める目的の両方を兼ね備えた助言でした。
「しかし・・・・・・・」
よしひろは苦悶の表情を浮かべつつ、少し時間をおいてこう提案しました。
「社内で検討しますのでお時間をいただきたい!」
みつなりはそれに対して「分かりました、しかしサンサン商事の重役の中にはしまづを警戒する者もいることをお忘れなきように!話の持って行き方次第ではサンサン商事との再戦もあることをお忘れなく!」
こう言った後、みつなりは内心戸惑いました。
「ひでなが様のことをしまづに匂わせて警戒するように助言するとは!私は何をしているのか?」
こうして再びしまづに暗雲が立ち込めてきたのでした。
※USOは本作での架空の組織で、連合標準化機構の事です。
通称「うそはっぴゃく」という名前で親しまれて?います。
もちろん、あの有名なIS〇 (正式名称全部書くと面倒なので)がモデルです。
会社にお勤めの皆さんにはなじみがある話だと思います。
マニュアル作成が大変なのと、作業をするときには言われた通りにすることを徹底する仕組みで当初は現場との対立が日常茶飯事だった記憶があります。
今はどうなってるか分からないので、もしかしたら古い経験を紹介しているかも。
その時はすみません。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます