第67話 猿の逆鱗!
しまづの県でハートフルな話題が続いていたころ、都から西は大きな動きが起きようとしていました。
日の本お菓子道連盟会長のさきひさ、専務理事のぶただの二人は都の郊外で趣味の乗馬をしていました。
一見公家のような出で立ちをしている二人ですが、若いころはワイルドな生活をしていて下手な武家の連中よりも強者オーラを放っていました。
さて、静かな野原の一本道を行くと、さきひさが大声で威嚇します。
「出ておじゃれ、猿の者どもよ、姿は見えぬとも獣の匂いがするでおじゃる!」
そうすると、野原から猿のような出で立ちの集団がそそくさと消え去っていきました。
この時さきひさものぶただも臭い匂いを避けるために鼻に服を当てるしぐさをして、不快感をあらわにしました。
さて、この時の猿の集団はそのまま、サンサン商事のひでよしの元に帰っていきました。
主のひでよしに報告をしに行ったのですが、集団の長の様子がおかしい。
ひでよしはそれに気づいて、さらに説明を促すと、長は自分たちを猿の者どもとののしったことを渋々伝えました。
長はひでよしが猿扱いされると切れることを知っていたのです。
しかしひでよしはカッカと笑い飛ばしました。
そしてこう付け加えます。
「わしは長男だから我慢できた、次男だったらどうなったかのう?」
それは長の疑問に対する答えであるとともに傍らにいる弟のひでながに対する軽い皮肉でもありました。
しかしひでよしの余裕ある態度も長くは続きませんでした。
日の本お菓子道連盟会長のさきひさ、専務理事のぶただの二人の連名で各お菓子会社にサンサン商事の動向に注意するよう情報が飛び交っていました。
しかし、ひでよしを怒らせたのはその情報の中にひでよしを出自の低い猿扱いする表現が見つかったことです。
実はこれはひでよしの不思議な習性なのですが、彼は自分の出自について心の中でとても大きく深いコンプレックスがありました。
しかし、1回目はそれを笑って寛大に許す癖がありました。
また、自分の方から出自をネタにして話術を仕掛けてくることもありました。
しかし、2回目になると途端に態度が変わりました。
種あかしすると長男だからではなく、1回目は許すが2回目以降は逆鱗に触れるというのが正確な表現でした。
こうして逆鱗に触れたさきひさとのぶただの二人はひでよしの政治力で発言権を奪われてしまいました。
こうして、しまづは知らぬ間に都との情報が途切れてしまうという大変な危機に直面し、しかもまだそれを知りませんでした。
※元ネタ 柳生一族の陰謀
参考 ポプテピピック
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