第63話 閑話休題 しまづの懺悔室

さて、わたくしは本作の作者である「郭隗の馬の骨」と申します。

普段は小説を書きながら、株式会社しまづのパートとしてトイレ掃除をしています。


今日はしまづの影のボスである、ただよし様に呼ばれて株式会社しまづの本社最上階にある、相談役専用室、通称「しまづの懺悔室」に向かう所です。


現社長の祖父であるただよし様は高齢のため普段は自宅でお休みされていることが多いのですが、今日は体調がよく、なにより私に言っておきたいことがあるとのことで部屋までやってきました。


お決まりのノックをして中に入ると、正面には巨大な十字架のようなオブジェが、そして正面の椅子にはただよし様が怒りの表情で待ちかまえています。

そしてサイドの椅子には社長の父君である相談役たかひさ様もおられます。


ふかふかの椅子に座るようたかひさ様に勧められて座るや否や忠良さまが「うちのとよひさが男の娘とはどういうことだ!?」といきなりのお叱りのお言葉。

私が「あ、いやこれはしまづの人気の為に・・・」というと


「だまらっしゃい!だったらド〇フターズの島津豊久という人気者がいるのだから素直にそれで行けばいいではないか!?」

私は冷や汗をかきつつ「お言葉ですが著作権とかいろいろ面倒なことが・・・」


ただよし様曰く「武家の家の子が男の娘では不自然であろうが、とにかく無骨者の妖怪首おいてけに今すぐ変えるのだ!!」

さらに私が冷や汗をかきつつ「今はあまり無骨者は流行りませんし、あまり男を強調すると怖い皆さんににらまれますし、何より男の娘は大人気なので・・・」


するとただよし様は「わしのひ孫の事なんだから何とでもなるだろうが!」

私は涙目で「そちらは別の大人の事情がありまして、触れると大変困るのですが」


これを見ていた相談役のたかひさ様が「まあ、父上、かの者も困っているようですしその辺で抑えてはいかがかと、所詮は素人物書きの戯言にございますれば」

発言力の激烈なただよし様も人望熱く思慮深いたかひさ様の言葉には一目置かれているようでわたくし、何とか助かりました。


それからも何度も頭を下げつつ申し訳ないと懺悔しながらなんとか懺悔室を脱出することが出来ました。


さて、心臓をバクバクさせつつ会談を下ると、社長室から一人の若者が涙目で悔しそうに出てきました。

副社長よしひろの息子の一人、ただつねです。


私と彼は目と目を合わせ、言葉には表せない何かを悟りました。

共に会社から出て、気が付くと川岸でサッカーボールをパスしながら太陽に向かって夢中に走る二人の姿がありました。


※ただつねと作者が何故心を通い合わせることが出来たのか、それは次回に答え合わせをしたいと思います。

リスペクト ドリフターズ 平野耕太先生


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