第31話 しまづの休日 いえひさ編

しまづ4兄弟末弟のいえひさ、彼はしまづの脳筋の影響を一番残しています。

 (笑)。

お茶や歌は苦手です。

若いころ努力はしたらしいのですが、結局ダメだったみたいです。


その分、武道は強く、4兄弟の中でも次男のよしひろを超える強さではないかとの噂がしまづ社内で広がり、よしひろが嫉妬したという話がまことしやかに伝わっていました。


彼の休日はもっぱら武道の鍛錬でした。

酒もいける口でしたが、それよりも武道が好きで息子のとよひさと日々鍛錬していました。


彼にはもう一人ただなおという息子がいましたが、父親に脳筋を全部持っていかれたらしくとても大人しい性格でした。

目立つのが苦手なため、いつも目立たない所で身を隠す影の薄い人物でした。


いえひさは細かいことは気にしない父親だったので、ただなおについては自由にさせていました。

昔、馬の例えで自分がバカにされたことがあったので、息子二人を比べることはせずにそれぞれに合う形で接するように振舞いました。


とよひさはとにかく美少年で目立ちます。

でも本人にその自覚はなく、尊敬する父親のように会社で活躍したいと強く願っていました。


なにしろ、父親は常務でとよひさも室長、立場があります。

そういうわけで体の鍛錬の為に特訓するのですが、二人とも加減を知りません。

まるでドラゴンボ〇ルのような激しい特訓になることもあり、彼らはますます脳筋になっていくのでした。


ただ、いえひさ親子は単なる猪武者ではありません。

戦の駆け引きが本能的というか天性の才能があり、それが会社での活動でも存分に発揮されています。


実はこれまで触れてきませんでしたが、彼ら4兄弟たちが休日に多くの時間を取って訓練、研究する分野がありました。

それは「カードゲーム」です。


以前から何度か出てきた「日ノ本お菓子道連盟」とはこのカードゲームを管理、統括する団体です。


そして、単なるカードゲームとの違いは、各菓子メーカーの企業規模や効力をデータ化し、さらに新製品を開発するごとに新しいカードを作成、連盟の認可が下りたら使用可能にするなど、様々な決まりごとがある点です。


そして、それらを「日ノ本お菓子道連盟」が定めたカードゲームのルールに従い各企業が戦い、勝敗を決します。

さらなる説明は後日に譲りますが、今回はしまづ4兄弟の休日紹介をしたところでお開きです。


※島津家久が上京した時、明智光秀の坂本城を見学し、籠城への備えの万全さに感銘を受けたそうです。

また、茶の湯に誘われたときは「茶湯の事不案内」のため白湯をリクエストしたそうです。


また連歌会の誘いも同じく断ったことからも、教養の面では苦手意識があったようです。

野戦での大将首の奪取率では戦国でも隋一という話もありますが、前にも紹介した通り城に並々ならぬ関心を持っていた様子が記録されています。


とにかく城が大好きだった様子がうかがえます。







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