第20話 ノブナガとの別れ
しまづの使節御一行は何日か都に滞在した後、しまづの県に帰ることになります。
ノブナガは残念そうで、特にとよひさと別れるのをとても惜しみました。
「よいち」じゃなかった「おとよ」!また機会があったらいつでも遊びに来るがよい!
ノブナガは鷹揚にとよひさに声をかけました。
みつひでもいえひさとの別れを惜しむ様子を示しました。
話で聞いていた魔王ノブナガとその懐刀みつひでというイメージと異なりどちらも優しく親切な御仁であったとしまづの者たちは皆感じていました。
別れ際にノブナガがいえひさととよひさに小声でささやきました。
オダとしまづは友好関係を持つことになった。
なにか困ったことがあったらわしの所に文をよこすがよい!
力になろうぞ!!
この言葉が後にしまづの県の運命に大きな影響を及ぼすのですが、それは後日のことなのでここでは秘密です。
いえひさととよひさは丁重に頭を下げて、オダカンパニーの面々と別れることになりました。
さて、しまづの使節は帰路に向かいしまづの県に向かう途中、やたら賑やかな街に遭遇します。
その街は活発で住民が皆忙しそうにしています。
特に商業と建設業が賑わっているようで沢山の人々が往来していました。
そして何よりも商売が盛んでその様子はオダカンパニーのおひざ元にも負けないほどの様子でした。
少し興味を持ったとよひさが地元の人に声をかけます。
「この街は活気があるがどうしてなのかわかるか?」
地元の住人と思われる若い女性はとよひさの美貌に目を奪われながら答えます。
「こちらはオダカンパニーの子会社、サンサン商事のおひざ元、軍団長ひでよし様の街ですよ!」
「ひでよし?」聞いたことのない名前が出てとよひさも首をかしげています。
その姿も艶やかなので目の前の女性はますますポーっとしています。
そんな状況でしたが、とよひさは気にせずに帰路につくことになります。
こうしていえひさたちしまづの御一行は十分に役目をはたしてしまづの県に帰ってくることが出来ました。
※織田信長という人物は敵対せず、適当に距離のある相手とはとても友好的だったようです。
朝廷や他の大名に対しても、外交で品物の贈答や手紙などでは友好的だったり時にはへりくだったりすることもありました。
しかし、距離が近づいて利害関係が発生すると高圧的な事も多く、友好的だったのに後に裏切ったり敵対する勢力が多く出現することになります。
島津とも品物のやり取りなどをして友好的だったようで、中央との敵対は秀吉の代になってから発生したようです。
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