結婚するーっ。
ミア姫が
カイトを呼び止めた
カイトとマリーンが足を止める
「練習の後だけど
ちょっと カイト残ってくれる」
カイトとマリーンが顔を見合わせて、、マリーンはここで待ってる事に
「今 マリーンが 教えてくれた馬での 挨拶を 本番ではあなたと 私がやるんだから
ちょっと 私の練習に付き合ってちょうだい」
カイトの後ろに、ひらりと乗るミア姫
マリーンは ハナと遊んで 待っている
「今さっき マリーンと練習したので
馬の上では 立てるわ」と、カイトの肩に手を置き 馬に立つ
カイトが「じゃあ 少し 馬の速度を 早めますよ」
「最初は ゆっくりで 少しずつ速度を 早めます 気をつけてください」
と 少し速度を 速めたところで ミア姫が
「あっ」と言ってバランスを崩す
そして、バランスを崩しながら
カイトの首に しっかり、しがみつく ミア姫
ミア姫は 馬の上でバランスを崩して、カイトに しがみついたのに
カイトは ビクリともせずに しっかり自分を支えてる
カイトの 力強さを感じる。
「頼もしいのね、助かったわ」と、
カイトの耳元で ミア姫が ささやくように言った
カイトは また動けなかった
馬の速度を 緩めても カイトの首に しっかり手を回し その手は強くもなく弱くもなく
上品なしっとりした ミア姫の手が首にまとわりつく
ミア姫は 自分の顔も カイトの首元に 近づけて もたれかけさせる
走る馬の上で 女性に ミア姫に しがみつかれたままの、カイト
カイトが マリーンの方を見て
ミア姫に マリーンが見るように 方向を変える
マリーンは 馬の上で 両足で一人で立っている
誰の 助けもなく 誰かの肩に 手を置くでもなく
一人で 真剣に バランスをとっている
集中してる その姿は、、美しかった
ミア姫が 見ても、バランスの良い 見惚れる
マリーンの馬の乗り方だった
ミア姫が うまく馬を 手懐けているマリーンを 見たのを確認して
「こういう事は マリーンの方が うまいんですよ」
「まだまだ 時間がかかりそうだから
僕は みんなの 球馬競技を 指導しますから
この馬の 乗り方の練習は 当分は マリーンに教わってください」
「藍色チームの時も 僕たちが 男だけで 2対2で 練習してるので
女子のマリーンが 一人 時間を 持て余して やりだしたんです」
「最初は マリーンで、、僕達が 変な乗り方に面白がって 遊びで乗っかって
結構 器用なんですよ マリーンは」
マリーンが ハナの上に 両足で立っているのを
その次は 片足を あげようとして ふらついている
「 まさか、あなたの妹は 馬の上で 片足で乗るつもり
片足を上に 上げて バランスを取るつもりなの?」
そういうのを 見たことがない ミア姫は驚く
「まあ 無理だとは思うんですけど
マリーンは 練習は してる みたいです
一応 やれるかどうか 準備は 怠らないようです」
「僕は 真似る気は ないですけどね」
楽しそうに 笑うカイト
この男は マリーンの ことだと 何でも許容し、笑うのは わかっている
カイトには あの妹しか 見えていないのが ミア姫には 分かる
「わかったわ そうするわ 」悔しさを にじませる、ミア姫に気が付かないカイト
「マリーンの後ろで ちゃんと立てるようになった時 また お手伝いします」
「マリーン」とカイトが
マリーンの名を 愛しそうに呼び、終わったことを知らせる
いつか 私の名前を 呼ぶ時も ああいうふうに きっと呼ばせて みせるわ
優しいカイトの声が、ミア姫の耳に残る
カイトとマリーンが 部屋に入った途端
マリーンが 拗ねだした。
「どうしたんだいマリーン」
「だって だって」
「だって?」
「だって嫌だったわ」
「何が」
「ミア姫さまが カイトの首に しがみつくなんて
嫌だー」
「ハナの、上で 集中して 練習したんじゃないのかい」
「目に入ってくるわよ」
「そうなんだ」
「私だけじゃないもん 遠くで
ほら あの護衛の3人も しっかり見ていたわよ」
「へーっ あの3人がミア姫を ?
僕とマリーンを 見るんじゃなくて
ミア姫様の 方を気にしてたのか」
「私達の事は あまり 誰も 気にしないんじゃない?」
「馬の上に立つ曲芸は 結構 気になるもんだよ」
「カイトの練習方法を もっと聞きたくて 見ていたのかな?
わかんなーい」
と言って、後ろからマリーンは カイトの首に しがみつく
「どうして ミア姫様から逃げないの?
私は あのミツキ様から 結構必死で逃げたのに」と怒る
「だって あのままじゃ ミア姫 危なかっただろう」
「嫌がる 素振りもしないんだもの
カイトったら じっと 動かないで
ずっと されるまま
ミア姫様 ずっとカイトの首に しがみついてたわ」と、拗ねる
こんなマリーンは、初めてだ、、
カイトが 腰を上げ 立って
後ろに しがみ ついている マリーンを
そのまま、ぐるーんと 一緒 回した
「あっ、、お父さんが 良くしてくれた のだ」
「そうだね よく僕も マリーンも クロスも
みんな こうやって 首にしがみつく 僕たちをぐるーと回してくれたね」
「マリーンが お父さんが やるたびに 嬉しそうに
言ってた 言葉覚えてるよ」
「なんて?」
「お父さんと結婚するーっ
て言ってたじゃんか」
「その時の お母さんの顔思い出すな」
「あれは十歳までよ」
「、、覚えてるんだ」
「だって わたしの 10歳の誕生日よ
お祝いだって
浜辺で カイトが 私とクロスを 回してくれたじゃない」
「ああ その前までは 何回しても クロスは まわせても
マリーンを まわせなかったもんな
回せるようになったのは あの時か
誕生日で 頑張ったんだ」
「そうよ あの時から 私お父さんと
結婚するって言わなくなったの」
「どうして?」
「あの時かな、、
お父さん 以外にも 結婚したい人 できちゃったんだ」
「誰だか 言わないじゃん」
「誰と 結婚するんだろうね うっふふふ」と 言ってカイトの首をぎゅっと抱く
もう ミア姫様に 抱かれませんように 祈りを込めて
「マリーンが お父さんと 結婚できないように 僕とも結婚できないからな」
「つまんないね」
現実に戻る2人
「結婚しない でも ずっと一緒には 居られるかな
それでも いいな
マリーンは?どう」
「私も それでいい!」
「本当?」
カイトが聞き直すので
「カイトも本当?」と 聞くマリーン
お互いの 答えを、確認したい
うなずいて ガシッと手を あわすふたり
自分の見慣れた手と
マリーンの 細くて可愛い手が
目に入る
2人の重なった手を 嬉しそうに真剣に見つめてる マリーン
僕を信じてる
マリーンの瞳 長いまつげ
微笑む 柔らかそうな 唇
兄と してだけれど
いつか 僕達が 離れること
あるのだろうか 今は まだ 考えられないけれど
カイトは 父を 思い出し マリーンのウエストを 両手でガシッと掴み
マリーンを そのまま持ち上げて 上に高く 一周させて回した
僕も 父に いつも 空高くあげてくれた
行方不明の 大好きな父を 思い出す
「わーっ 高い もう お父さんと一緒の事を
カイトできる
私を 空に飛ばせるわ」
両手を 広げ 鳥の真似をするマリーン
僕の 掴んでる 手の中で 飛んでいて。
目の前に ミア姫がいる
マリーンに 冷たく言い渡す
「洗濯は 誰でも できるけれど
お兄様の侍女は
お兄様が 許可しない限り ちょっとや そっとで できない重要な仕事よ
ミツキお兄様は 行く行く この南部を 継ぐ人なのよ
分かってるの?
どうして そっちを 取らないの」
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