交差接種

 ここからはアストラゼナカ製ワクチンのことだけではないのですが、せっかくなので(なにがせっかくやねん)こっそりと書いておきます。


 僕の店にきてくれるお客さんに、交差接種のことをよく訊かれます。僕はそっちの専門ではないのですが、なぜかしょっちゅう訊かれるんですよね。専門じゃないと突っぱねてもいいのですが、一応は僕を信用して訊いてくれているので、なんとなく突っぱねるのははばかれたりします。なので以下のように答えるようにしています。


 知り合いの医師の過半数以上が交差接種に否定的です。正確には慎重派です。僕も同じく慎重派です。って感じで答えるようにしています。


 実際に慎重派の人が多いです。否定派じゃなくて慎重派というのがキモですね。


 ご存知の方もいらっしゃると思いますが、交差接種というのは異なるワクチンを接種することです。たとえば1回目にアストラゼネカのワクチンを打って、2回目にファイザーのワクチンを打つとかですね。


 そうすることでワクチンパワーが強化されるらしいです。アストラゼネカはT細胞免疫の誘導効果が高くて、ファイザーは中和抗体の誘導効果が高いと言われています。たぶん、そのふたつをいいとこ取りして、ワクチンパワーを強化するってことなんだと思います。


 ちなみに、T細胞は中和抗体の司令官みたいなもので、中和抗体はウイルスと直接戦う心強い味方です。T細胞と中和抗体を野球選手に置き換えると、T細胞は監督さんと思ってください。中和抗体のほうは相手チームと実際に戦う選手です。


 優秀な監督と選手で最強チームを作ってやる! というのが交差接種の目的のはず。知らんけど。


 いいとこ取りが本当にできたら、それはもちろん有効だと思います。でも、交差接種のちゃんとした治験って行われていないはずなんですよ。ぶっつけ本番でワクチンを混ぜ混ぜして打つなんて、結構怖いです。なにが起きるかわかりません。


 ふたつのワクチンを交差接種することで、ふたつのワクチンのメリットを獲得できるかもしれません。でも、下手するとふたつのワクチンのデメリットを受けることだってあります。


 都合よくメリットだけ獲得できるかは未知ですから、ちょっと怖い……。


 ただ、かなり性格の悪いことを言いますが、日本はワクチン接種にかんして動きが遅いです。それが功を奏するかもしれません。


 他の国が先に交差接種をするでしょうから(もうはじまっているかもしれません)、その結果で安全性と有効性がわかります。そのあとに日本も交差接種すればいいんじゃないでしょうか。


 安全性と有効性、特に安全性がはっきりしていない状態で交差接種は怖いです。現状だと僕は交差接種をしたくないですね。ということで、ビビりの僕は交差接種に慎重派です。交差接種をするとしたら、もう少し先にしてもらいたいです。





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