第44話

44

「ほらね。

 私の言ったとおりになったでしょう。」


後日、死神乙女(ヴァルキリー)・挑戦士(ウルズ)に一報が入り無事離婚したことを伝えた。

予期していたのか涼奈さんは迎えに行くと言って車を出してみずきちゃんと迎えに来てくれた。

みずきちゃんはそのまま俺にしがみつき大きな双丘を押し付けながら離さないように関節を決めるようにしていた。

その際実花後輩と話していた。


「ええ、負けました。

 弁護の件は責任を持って行いますのでそこはご安心ください。」

「うんありがとう。」


実花後輩は弁護士としてはの腕は相当立つらしく死神乙女(ヴァルキリー)・挑戦士(ウルズ)の弁護士にもなっているメアリーさんがお墨付きを出しているくらい優秀な弁護士とのこと。

事務所内でお茶を再び飲んでいる姿は昨日の狂気から解放されたように安らかな笑みを浮かべているようにも見えた。


「実花さんにはこっちで専属弁護士をしてもらわないと割に合わないってマスターは怒っていたけどね。」

「もしや死神乙女(ヴァルキリー)・挑戦士(ウルズ)のギルドマスターも……。」

「お察しの通りだよ。」

「昨日、襲わなかった自分が憎いです。」

「そっか、でも羨ましいな。」

「何がですか?」


涼奈さんはとても羨ましそうな、

例えるなら誕生日プレゼントを早く貰う兄弟に対しての可愛い嫉妬を微笑ましそうに見つめているような柔らかい表情をしていた。


「抱かれることなく満たされたことなんてさ、学生の甘酸っぱい恋だよ。

 大人になると誰だって抱きたくなっちゃうもん。

 プラトニックな恋は私もしたかったと思ってるよ。

 みずきちゃんだってプラトニックな恋でしょう。」


突如として話を振られたみずきちゃんは気が付いていないのか必死にこっちに甘えに来ている。


「ポッキー。」

「はいはい。」

「む、口移し。」

「それはダメ。」

「ケチ。」

「もっと大きくなって好きな人が出来た時に取っておきなさい。」

「じゃあゲーム。」

「俺は今持ってないよ。」

「はいlever(レバー)」

「最新携帯ゲーム機持ってるのね。」


数時間で片思いの人に会えたのにすぐに他の女の邪魔が入ったりして思い出を語る時間もなくいたちごっこのような昨日に比べて今日は時間が十分に取れることも相まって躊躇なく甘えてくる。

自分自身も思い出の再確認をしている程度にしか思っていないので好きなように甘えさせつつ節度は守らせようと考えていた。


「先輩のロリコン。」

「実花さん、ロリコンの定義は16歳未満にしておこうよ。」

「今の日本は18歳成人及び18歳からの婚姻が認められているので駄目です。」

「やきもち妬き過ぎるのもあんまり綺麗に見えないよ。」


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スライム道

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