第23話

「装備の測りは終わった?」

「一応は終わってるよ。」

「なら武器の方を見に行こうか。

 私みたいな変身系なら良いんだけど君のは違うからね。」

「はい。

 でも武器って何を選べばいいんでしょうか。」

「それはあの人に聞けばいいよ。」


店の奥にいる女性を指さした。


「あの人は?」

「あの人はさっきのおばちゃんの娘さん。」

「へえ。」

「おばちゃんは元ベテランアドベンチャラーの経験から装備を選んでくれるけど娘さんの方はスキルが武器適性鑑定だから別の意味での信頼があるよ。」


スキルというものも未だ謎のままなのに妙な信頼性があるのだから不思議な世の中になったものだと思っている。

ダンジョンエネルギーに対してもそうで原子力のような放射線などは見られていないことから各国は完全にこのエネルギーに移行している。


「じゃあ聞いてみるよ。」

「あ、私が先に話をつけておくよ。」

「うん、お願い。」


仕事ばかりで職場の人間にしか話したことのない自分への配慮をしてのことだった。


「お久しぶり♪みずきちゃん。」

「…久しぶり……。

 今回の旅は……大変だったって聞いたけど…大丈夫?」

「うん大丈夫。

 ちょっと大変だったけどそこの彼が助けてくれたんだけど彼のスキルとダンジョンボスが相性が良くて偶々倒すことができたの。

 それで彼の装備を見繕ってもらいたいんだけど鑑定してもらえる?」

「……うん………(スキル鑑定)。」

「どうだった?」

「…これは…必要ないよ……。」

「必要ない?」


彼女の眼には彼に武器は必要ないと出ていた。


「しいて言うなら…解体用に近いナイフかな……。」

「解体用?」

「それも最上級が良いかな。

 切れ味と頑丈さを優先したものがいいと思う。

 攻撃力を高める状態異常や属性付与をしなくても良いと思う。

 後は動きを制限する上で飛び道具があると言い。

 でもこれは石ころでも構わないからダンジョンによってはいらないと思う。」

「武器のことになると熱心になるのは変わらないよね。」

「…とりあえず裏から取ってくる……。」


彼女が裏に入ったタイミングで俺が顔を出す。


「どうだった?」

「素手で充分だって。

 でも強いて言うならナイフとかって言っていたよ。」

「ナイフかぁ。」


一切武術の会得をしていない葵にとって武器そのものが枷になると思われるためにスキルが判断したのだろう。


「…はい……持ってきたよ。」

「これはリボルバーにコンバットナイフ?」

「銃弾はこれ。」


銃弾は銃に詳しくない俺でもわかる実包は重くのしかかった。


「マグナムですか。」


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スライム道

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