第18話

メアリーさんたちと大人の階段上るをした後の朝を迎え朝食をご馳走してくれるとのことでギルドハウス近くのオシャレなカフェでモーニングコーヒーブレイクを決めようかと思っていたが見られている気がした。

よく見れば見覚えのある人ばかりだった。

そしてその視線がとても奇異なものばかりで戸惑っていた。


「あの、その……。」


女性しかいないギルドメンバーの方々から好意の目線を向けられていることだ。

そんな目線で見られるのは初めてのことだった。


「落ち着かない?」

「え、ええ。」

「まあしょうがないもんね。

 あのギルドマスターを女にしたんだからねえ。

 でも私が初めてだってことは忘れないでよね。」

「えとえと。」

「ナヨナヨしない。

 はいこれ食べて元気になる。」

「ハム(゚д゚)!」


口の中でとろけるほどに柔らかい口当たりをしたものを放り込まれた。

そしてだんだんと味を認識していくうちに顔が笑顔になっていく。


「ここは死神乙女(ヴァルキリー)・挑戦士(ウルズ)御用達のお店だからね。

 みんなここに余ったモンスターの食材なんかも卸してるし大体の要望は聞いてくれる良いお店なんだ。

 今食べてもらったのはダンジョン産の皇麦(こむぎ)と頭猛超(トウモロコシ)だよ。

 どれもミノタウロスが居た迷宮の浅いところで取れるよ。」

「こ、これが一部の上流階級とアドベンチャラーだけに許された食材たち。

 こんなにゆっくり飯を食ったのはいつぶりだ。」


この時の葵の反応はかなり閉鎖的な土地から都会に出て初めてフレンチを食べた人のような顔をしていた。


「よしよーし、今までお仕事辛かったんだね。」

「ありがとうございます。」

「うんうん、今はそのお仕事もしなくていいんだしちょっとダンジョン潜ってみない?」

「え、でもダンジョンって試験に受からないと入れない場所だったと存じ上げていますが。」

「すぐに仕事モードに入っちゃってそんな男はモテないぞ。」

「大丈夫ですよ。

 だって棲花(スミカ)さんに出会えましたから。」


一度でいいから行ってみたい新婚バカップルセリフを言ってみたのだが棲花(スミカ)さんには不評のようで眉間に皺を寄せていた。


「ちょっとキモイかな。

 それに私だって愛想つかすかもしれないよ。

 そうならないように努力するのが恋人ってものでしょう。

 君の場合は夜の性活以外はまだまだ知らないことがいっぱいなんだから私にそのセリフを言ってもキスしてもらえるくらいには努力してよね。」


女子の言葉ってグサッと来るんですね。

正直な感想が心の中で漏れた。


「まあでも君に愛想つかすなんてことは私にはありえないんだけどね。」


小さくボソッと言ったベタな展開に俺は聞こえないふりをすることにした。

何故なら彼女の隣に立ちたいと思ったからだ。


________________________________________________________________________________________________________________________________________________________________________


読者の皆様の感想。

レビューが作者の励みになります


コメントが苦手な方でもぜひ反応を示してくれると幸いでございます。


また誤字脱字に関しましては一息ついてから確認いたしますのでご協力お願いします。


出来ればより多くの方にお読みいただき感想をいただきたいのでレビュー評価を入れてくれますとだいぶ助かります。


レビュー評価を星一個入れていただけるだけでも呼んでいただける母数が増えますのでお願いいたします。


スライム道

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る