ライ・ア・クレッシェンド
くうき
ライ・ア・クレッシェンド
嘘が並んだ
偽りで塗った世界
オチもなく綴った小説
ただ虚しい
妄想が捗って
写った月が無くなって
泣いた世界の朝を見つめてさ
誰もいない
声のトーンが
一線を描き
愛を掴む
簡単なことも難儀なことも
丸め込んで
嘘を吐く
最低な強調を重ねて
雨が降りしきる夜が
鳴り響くあたしの声を
曇らせる
鏡を落として割った音
色づいた世界を崩していき
物語は死んでいく
打ち込んだ音が冷めた時
夢は朽ち果てる
腐った世間の目
暮れた日の
声が遠鳴り
散々な世界で泣いていた
少女の言葉
嘘まみれで
何かを欲して
満足するまで
歩いた
この世に綺麗なモノは
捜しても見つからない
造花を掴んだ
偽物で
贋作な
それでも美しいと
叫ぶことしかできなくて
嘘が剥がれ落ちて
本性が強調された
静かな夜も
騒がしい朝も
喧騒とした日常に同化してやってくる
命を嫌って
声を嫌って
存在を嫌って
嘘だけを残して
失っていく
若さと
勇敢さ
絶望が私の雨を掬って
湿らせた意味を知って
誰も知らない物語を綴って
命を捨てて
何処かに
無くした感情を
拾い集めて
また、歌おう
何処か遠いところで
呟いたようだ
ライ・ア・クレッシェンド くうき @koooodai
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