生きる

@8738bi

うつを生きる

自分の思いを、

全て言葉にできたとして

返ってくる言葉が

自分にとっては、暴投で

ボールが遥か彼方に消えていったり

胸を抉り、貫通したり


一番困るのは、

消えていくボールより、

貫通し、出血したこの胸の

止血の仕方や治し方が

全く分からず

出ていく血の勢いを、

ただ呆然と

見ていることしかできない

自分の弱さ。

対処の方法を見つけれていない

自分の不器用さ、不甲斐なさ


ほかのもので自分を癒すことを

未だ見つけれず、

新鮮な血を、出し続け

痛みさえ気付くことに後れ

化膿し、吐き続ける膿を

吸い取るガーゼも用意できず

腐らないことが不思議と

思うは刹那

新たな傷と、かさぶたを生んでいく


あとには、治す薬が出され

結果、自分を大切にできなかったツケがきて

延々と思える苦しみを重く身体にくくりつけ、

鼓動が、呼吸がうるさいと思う

全ての音が、光が、煩くて

静かな場所は、どこにもないと

死んだ目をただ開ける



全てを出す必要はないと、そう言うけれど

言わなければ、なにも伝わらず

その悲しみを抱いて、閉じこもるより

言葉を通して、通じることを

ただただ、祈っているだけなのに

そう期待している自分が悪いのかと思えば、言葉は口から出るのを辞めてしまい、忘れてしまう


無いものと、そこには何も生まれなかったのだと、そう世界が認識しても

湧き出た源を知っている私は

どうしてもそれを、無くしたくなくて

そこにあったのだと、証明したくて

言えぬなら、書いておきたい

ちゃんとそれは、あったのだと

たとえそれを目にするのが

たった1人、、私だけだとしても

ちゃんと生まれていたのだと、

血を纏わせ泣いていたのだと

少しでも形をこの世に残したい


笑うことの難しさを知る

一体なぜ生きているのか

生かされているのか

季節は巡っていくのに

私の心は何も動かず

ただ、煩わしいと耳と目を塞ぐ


出てくる感情が、何色のものなのか

どう出すのが正解か

もはや分からず、ただ、衝動だけが無理に身体を動かせる

溢れる涙は、一体何なのか

怒りなのか、悲しみか

嬉しさなのか、愛しさなのか

痛みなのか……


ただ穏やかに生きていきたい

そんな思いを嘲り笑い、底の見えぬ穴へ突き落とす


自分のできることは

ただ静かに目を閉じ

嵐の過ぎ去る時を祈ることのみ


底抜けの明るさと、

突き落とされる絶望を

行ったり来たり、戻ったり

普通が遠く懐かしく

当たり前は、幻か夢か

ふと、生を投げ出さぬように、

懸命に

1秒、1秒を生きていく




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