BDGバトルドール・ガールズ! ~身長15㎝のツンデレメカ少女はマスターと共に廃校の運命から学校を救う!~
すとらいふ
プロローグ バトルドール・ガールズ!
プロローグ バトルドール・ガールズ!
「いくよ、叢雲!」
「ええ、あいつらに目に物見せてあげるわ!」
自信満々といった様子の少女は、自身の身長よりも長大で幅広の大剣を軽々と肩に担ぎあげながら遥か後方にいる相棒の少女へと返答した。その叢雲と呼ばれた少女は
辺りは荒廃したビル群。恐らく、元はとても繁栄した都市だったのだろう。あちこちでガレキがうず高く積まれ、文明の抜け殻のような廃墟が乱立している。
と、突然少女の足元が大きく弾けた。直前に聞こえた銃声からの、着弾する僅かなタイムラグ。
「来たわ! 指示お願い!」
「了解! まずは一旦距離を取って! 右後方、隠れられそうな障害物あり!」
「分かったわ!」
巫女姿の少女は重そうな大剣を担いでいるにも関わらず軽やかなステップで迫りくる弾丸の雨を回避していく。相棒の言う通り、右手側に壁だけ残して崩れた建物が見えた。そこへ身を隠すと、銃撃の主が大きく声を張り上げた。
「怖気づいて隠れてしまったのですか? 貴女も、大したことはありませんね」
見え見えの挑発。こんなものには誰も引っかからないような、感情のこもっていない棒読み。なのだが……。
「な、なんですって~?! ちょっと、あいつ叩っ斬っていい?!」
「駄目駄目! 今は駄目~! あと三秒待って!」
少女は顔を真っ赤にして怒り出したが、相棒の言う通りに三秒間だけ我慢する。頭の中でカウントダウンが終わった瞬間、挑発の主がいるであろう付近に大きな爆発が続けて三回。ここからでは見えないが、恐らくチームメンバーのピンポイント爆撃だろう。少し待てというのは、これを仲間に要請していたからか。
巫女装束の少女は一気に駆け出し、爆炎と煙が絡み合う地点へとその大剣を思い切り叩きこんでやった。
「……ッ! 今のは危なかった……です!」
「余裕で受け止めといて! 嫌味かしら?!」
大剣の鋭い一撃を、相手の少女は巨大なブレードで防いでいた。黒い装甲を纏い、背部には大きなバックパックと各種武装が見える。相手の少女も、巫女装束の少女も、その細身の身体のどこにそんなパワーを秘めているのか、ギリギリと激しい鍔迫り合いを繰り広げていく。
* * *
二人の少女が何合と斬り結び、その度に激しい火花が舞い散る。その様子がフィールド上部に設置された巨大ディスプレイの一枚に表示されていた。他のディスプレイには似たような姿の少女らが別の場所で戦っている姿も映し出され、それを観客らは歓声と共に応援する。
――ウワアアァァァ……!――
観客の熱狂が中央のドーム状フィールドまで轟く。そしてそれを囲むようにして配置された観客席には老若男女、大勢の人々が詰め掛け口々に叫んでいた。
「B・D・G!」
「B・D・G!」
「B・D・G!」
ミニチュアのような廃ビルが立ち並ぶ中央のフィールドにはやけに小さな――――そう、全長にして約15cmの、先ほどの小さな少女たちが戦っている。彼女らは様々な意匠を凝らした、可愛らしい少女の姿を
そう、これこそがバトルドール・ガールズ。小さな身体に最新鋭のAIを搭載し、多機能高分子とエンジニアリングプラスチックのハイブリッド素材をその身に纏った少女たち。マスターと呼ばれる者と心を交わし、共に生活し、共に戦う。
時代は二十一世紀も半ばを過ぎた。日本を始め、世界各国ではこのバトルドール・ガールズが大流行し、毎年大きな大会が開かれている。
「叢雲、頑張って! ここで勝てば優勝なんだから!」
「分かってるわよ! あんたはそこで私の華麗な活躍に見惚れてなさい!」
とある高校。一人の少女とドールが出会う。
彼女たちは様々な苦難を共に乗り越える。
これは、どこにでもいるような普通の
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