第2話

「なにやってんだよ・・」


スマホを片手に彼は部屋を出た


当たり前だが家の中は暗い


夕暮れの外から入る薄明りが頼りない


彼は階段を慣れた足取りで駆け下りた

下にいるであろう母に聞こえるように

その足音は大げさだった


「かあさん?」


リビングには誰もいなかった


そうだった

今日は母はパートの遅番で夜まで帰ってこないのだ


仕方なく彼は洗面所のブレーカーを上げに行くと

ブレーカーは落ちていなかった


「ん?」


どうやら停電は家だけではないようだ


彼は所在なく玄関に行くとドアを開けて家の外へ出てみた


ちょうど隣の家の住人と鉢合わせたが

いつもは挨拶してくれる気さくな隣人は

彼に目もくれることなく家に戻ると

その中から何やら慌ただしい声が聞こえた


周りを見渡してみる


どうやらこの辺り一帯停電のようだ


どーん・・・


どこか遠くで花火のような音がした・・・・





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電気が無い K @mk-2K21

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