第83話 松本零士先生とその作風

どーも。

くろねこ教授です。


少し遅ればせですが、漫画家松本零士先生がお亡くなりになりました。

先生のご冥福をお祈りします。


くろねこ教授は松本零士先生にかなり影響受けてると自分では思っています。

何処が、と言われると困るのですが、女性が強いところかな。


松本零士先生と言えばカクヨムユーザーな方たちにはどんな存在なのでしょう。

やはり大物作家でしょうか。

ニュースを見ていると。

『宇宙を舞台に少年たちのロマン』を描いた作家。

みたいな紹介になってるようですが、そんな単純なイメージの方では無いと自分は思ってます。


くろねこ教授にとっては…………

混沌としたかなりエロな大人向けマンガ家。

とゆーイメージが強いのです。

代表作以外の松本マンガを知らない人にとってはオドロキかもしれませんが。

『ガンフロンティア』や『聖凡人伝』が学生の頃のくろねこ教授の愛読書。

と聞けば知ってる方は、ああ、とご納得して戴けるかと。



松本零士。

代表作は『銀河鉄道999』『宇宙海賊キャプテンハーロック』『男おいどん』、他

1950年代! に少女マンガ家として世に出ます。

が、今一つヒットに恵まれなかった。

1968年には『セクサロイド』で青年誌へ活躍の場を広げ、『元祖大四畳半大物語』なども描く。

これらはかなりえちえちな描写もあるマンガである。

『元祖大四畳半大物語』からえちえちな要素を取り除いた少年マンガ『男おいどん』が初めてのヒット作となるのである。


だが、やはり一気に世間に松本零士が知られたのは1974年の『宇宙戦艦ヤマト』放送開始からだろう。

『ヤマト』における松本零士の立場はハッキリしていない。

設定デザイン、場合によっては監督とも呼ばれる。

以前は原作者とも名乗っていたのだが、裁判に負けてしまい、名乗れなくなってしまったのだ。

この辺の経緯は詳しく話すと長くなり過ぎるので今はパス。


その後『ヤマト』のヒットの影響もあって、『宇宙海賊キャプテンハーロック』が放送され、こちらもヒット。

松本零士先生と言えば、宇宙戦艦と、睫毛のヤタラ長い美女、とゆーイメージになったのである。

もう一方『男おいどん』の方ではぶちゃいくだが、ココロザシだけは誰より高い、雑草のような少年の昭和人情もの、とかなりかけ離れている。


しかし1978年、両方の要素を持った作品が産まれる。

『銀河鉄道999』である。

このテレビアニメ化され、映画化され、近年でもCMに使われ、舞台化までされてる作品が世に出たのである。


もちろんくろねこ教授も大好きなのだが。

混沌としたエロいイメージは崩れない。

実のところ『999』もマンガ版でメーテルは結構な頻度で脱がされている。

ほとんど毎回の様にシャワーシーン、ないしは訪れた惑星の暑さであの黒いコートをはずす。

時に黒の下着だけになったり。

下着も無いのに何故か黒い帽子は被ってるとゆーフェティッシュな格好になったりするのだ。

モチロン今どきの成人マンガの様に細部が詳しく描かれたりはしないが。

それでも十分に色気を漂わすのである。


その後『1000年女王』をサンケイ新聞で連載。

1000回で丁度完結などと言うオモシロイ挑戦もあった。

『1000年女王』も『新竹取物語1000年女王』としてテレビアニメ化、映画化もした。


前後して『999』『ハーロック』『エメラルダス』はトチローを中心に全て繋がっているとして。

劇場版『わが青春のアルカディア』

テレビアニメ『無限軌道SSX』が展開された。

変わってるのはこのアニメにマンガ版が存在しないコトだろうか。

アニメ企画の展開と同時にマンガ連載とゆーのが一般的お約束。

松本先生御大に描く時間が無くても弟子やアシスタントに描かせるのがフツーなのだが。

他人にマンガを任せることをあまり良しとしなかったからなのか。

アニメしか存在しない。


凄まじいメディア展開ではあるが。

思ったようには売れていかなかった。


この時、アニメ業界には『ガンダム』ブームが訪れていたのである。

アニメ誌の紙面は『ガンダム』と同じ富野監督の作品『イデオン』『ザブングル』で埋め尽くされ。

哀しいかな。

松本先生のアニメは話題の中心にはなりえなかった。


その後、メディア化からはしばらく遠ざかり。

自分のマンガの方で『ニーベルングの指環』、ハーロックを主役とした物語をスタート。

『銀河鉄道999 第二部』『超時空戦艦まほろば』なども含めて。

『999』『ハーロック』「エメラルダス」『ヤマト』の物語や登場人物をそれぞれに登場させ干渉させあう一大サーガにすると発言されていたのだ。

なのだが、前述のヤマト裁判で負けてしまった。

自分のマンガに『ヤマト』や『ヤマトの登場人物』を使えなくなってしまったのである。

松本先生にとって、この失意は大きかったらしい。

精力的に描きだした作品も全てストップしてしまった。

裁判の結果であるので、致し方無くはあるのだが、ヒジョーに勿体無いハナシである。


その後はご本人の体力が落ちた影響か。

ご自分では無く、別マンガ家さんが描く作品も展開された。

島崎譲先生による『ガンフロンティア』『銀河鉄道999 ANOTHER STORY アルティメットジャーニー』

嶋星光壱先生による『キャプテンハーロック次元航海』

それでもあれだけの知名度の作家さんにしては少ないと思う。


そんな訳でおそらく創作家として後年は満足行くものでは無かったのではないか、と思われる。

まー、アクマでくろねこ教授の私的見解である。

アレだけのヒットを世に残せば充分、とゆー見方だって出来るだろう。

個人的には、『昆虫皇帝』とか『ミライザーバン』のような他人にマネ出来ない独自センスのマンガをバシバシ描いて欲しかった。

そんな意味で『児女英雄伝』も良かった。

中断してしまったのが残念。


では次回も松本零士さんの話。

くろねこ教授の思い入れのある作品を語っていきたい。

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