第78話 『トライガン』と『TRIGUN STAMPEDE』

ちゃーす。

くろねこ教授です。


今回は。

『トライガン』

のハナシを少ししておきたい。


TVアニメ『TRIGUN STAMPEDE』も放送中ですし。

今のウチに語っておこう。



まず原作マンガから。


少年キャプテンと言う徳間書店の月間マンガ誌が有って。

マニアックな魅力を持つ作家さんが多数連載されていた。

なんだけど、残念ながら1997年廃刊になってしまったのだ。

ウルトラジャンプ誌へ行って『アガルタ』を連載した松本嵩春。

KADOKAWAへ行って『モンスターコレクション』のコミック版を描いた伊藤勢。

アフタヌーン誌へ行って『ラブやん』を描いた田丸浩史。

『強殖装甲ガイバー』など他多数、人気作も多数あり、実力ある作家、あさりよしとおさん等他にも何人もいらっしゃったのだが、徳間書店の方針転換があったらしい。


その中に内藤泰弘先生の『トライガン』もあった。

『トライガン』は水面下でアニメ企画が動いていた事もあり、即座に移籍が決まった。

ヤングキングアワーズ誌で『トライガン・マキシマム』と名を変え描かれる事になる。

内藤泰弘先生は最近も『血界戦線』のテレビアニメやったので、そっちの方で知ってる方も多いかと思う。




『トライガン』

作者:内藤泰弘

人間台風ヒューマノドタイフーンと呼ばれる男、ヴァッシュ・ザ・スタンピードを主人公に繰り広げる西部劇風ガンアクション。

過酷な砂漠の星を舞台に非道な賞金稼ぎと戦いながら『LOVE&PIECE』を叫ぶヴァッシュの姿が鮮烈。

コミカルなシーンも多く、保険屋のメリルとミリィのコンビが良い女性キャラ。

少しづつ世界の全貌が語られていく。

ヴァッシュが何者なのか、仇敵ナイブズの正体とは。

そしてヴァッシュは何故、自分を狙う相手までも助けようとするのか。


そして1998年テレビアニメ『トライガン』が放送される。


これは深夜帯アニメとしては相当に話題作となった。

その頃書店員をしていたくろねこ教授は放送前にガツンと単行本を仕入れて、山積みにしていたのだが。

瞬く間に売れて無くなったりした。


アニメ制作はマッドハウス。

キャラクターデザインを 吉松孝博、シリーズ構成は 黒田洋介。

音楽 は今堀恒雄。

アニメには珍しいギターサウンドを前面に押し出した曲がやたらカッコイイ。


ヴァッシュには小野坂昌也。

ラジオで注目されたり、『ツヨシしっかりしなさい』で主役は務めていたものの、まだそこまで知られていなかった頃だと思う。

これは見事な当たり役だった。

底抜けに明るく少し関西風の発音が混じった小野坂ボイスが、どんなにシンドい状況でも笑って見せるヴァッシュにハマった。

ウルフウッドは速水奨。

男でもシビレる低音ボイスの代表である。


舞台が西部劇風と言う辺りが良かったのか。

音楽がイカシてたのか。

キャラ造形が良かったのか。

内藤泰弘先生のアメコミ好きが影響した武器のギミックの影響か。

はたまたその全てなのか。

海外でも『トライガン』は大人気となった。

海外の人が挙げるグレートなANIMEベスト20みたいのに現在でも結構な割合で入っているのである。


モチロンくろねこ教授も大好きである。


2010年突如として映画版『TRIGUN Badlands Rumble』が作られたのは驚きの出来事であった。

テレビアニメ『トライガン』の当時のスタッフが集結している。

おそらく海外での販売を睨んでの事と思われる。

単品で完結してる映画だが、ヴァッシュや登場人物の設定などは知っていてトーゼンとして描かれてるので、テレビ知らないと多少敷居が高いカンジ。


とゆー訳でやっとこ。

2023年令和版アニメ『TRIGUN STAMPEDE』のハナシ。


前回のアニメがまだ原作が完結してないウチに作られており、後半はほとんどオリジナルストーリーとなっている。

その辺を意識したのか、原作の後半を描くべくラストに向けて話を再構成した様子が窺える。


しかし、それ以上に今回は原作と雰囲気を変えている。

3DCGにしてしまった為か世界観をリアル寄りに。

西部劇風味は抑えて、砂漠の多い異なる星でのSFアクションになった。


CGの技術は素晴らしい。

製作会社はオレンジ。

話題作『BEASTARS』の会社である。

アレも3DCGの中にマンガっぽいケレン味や演出を巧く入れ込んだ作品だったと思う。

『TRIGUN STAMPEDE』も1話のケレン味の効いたガンアクションはイカしていた。


しかしなー。

このアニメ全体的に失敗してる感が強い。

あんままだ完成もしてない作品にどうこう言いたくないのだが。


伝わらねぇっ!


まずヴァッシュがナニしてんのか伝わらない。

舞台が異星とハッキリして日本の日常と常識が異なるのは誰にでも分かる。

その中で現在ヴァッシュがしてる事はごくアタリマエの事なのか。

はたまた異常な事なのか。

バカな事なのか。

カッコイイ事なのか。

サッパリ分からない。


コレはヴァッシュだけで無い。

街の人々も、悪役も全部一緒である。

ナニがフツーで。

ナニがイジョーなのか。

まったく明白でない。


それを視聴者に分からせるためにメリミリコンビだった片方をオッサンにしたんじゃないの。

マスコミ記者のオッサン。

情報通で設定を紹介してくれるためには都合の良い登場人物。

良く使われる手だし、だからミリィ・トンプソンと差し替えても、まー仕方ないかと思えたのに。

状況を伝える役に立ってねぇー!

そこ分かんないと、ヴァッシュの魅力伝わんないじゃん。


ヴァッシュ・ザ・スタンピードは特異なヒーローだ。

血を血で洗う荒野の荒くれた男達のド真ん中で『LOVE&PIECE』を叫ぶ主人公なのである。

それはアホウなマネで異常なコトだ。

マンガにおいても90年代アニメにおいても明白にそこは伝わる。


或る意味『ドン・キホーテ』の様ですらある。

ロバの背にまたがり風車に突撃する騎士。

現実が見えていない夢だけ見ているオロカモノ。


周りの人間にアホウと呼ばれようと。

「カッコつけすぎや、トンガリ」

と相棒のウルフウッドに言われようと。

彼は敵を殺さないし、悪党に手を差し伸べ続ける。


それはヴァッシュがなんとなくいい人だったり、優柔不断な正義の味方だからでは無い。

彼にとってはその星に生きるすべてがレム・セイブレムが残した子供たちだからなのだ。

少しくらい反抗期を迎えようが、子供を見捨てる親はいない。

だから彼はドンキホーテの様に見えようが、あざ笑われようが、自身の行動を変えないのである。

それがヴァッシュ・ザ・スタンピードなのだ。



うーん。

なんだかちょっと熱く語り過ぎてしまっただろうか。

まー、タマには好きなモノ熱く語るのも良いよね。


そんなワケで。

『TRIGUN STAMPEDE』にはここからの巻き返しを期待してます。

ガンバレー。


とゆーコトで原作読んでない人は読もうぜ。

『トライガン』


以上。

今回はここまで。

くろねこ教授でした。

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