第53話 くろねこ教授的『笑い』の小説 前編

どーも。

くろねこ教授です。


新作『異世界転生ファミリー』いかがだったでしょうか?

イロイロ挑戦してみています。

色んな要素を含んだ作品ではあるのですが……

重要な要素の一つとして『笑い』があります。

今回はツッコミに焦点を当てて見たり。

ああ、自作解説はこの程度にしましょう。

まだ、投稿したばかり、続きも書くかもしれないし、自分でどうこう言うのはまだ早い。


笑い、ギャグ、ユーモア大事ですよね。

小説にもその要素は多分にあります。

物語の原点が戯曲にあるとするなら、悲劇と喜劇の二種類から全てが産まれている。

小説において、ギャグって珍しいと思ってる方も居るようなのですが、そんな事は無いっ! とくろねこ教授は声を大にして言いたい。


とゆー事でくろねこ教授の独断と偏見に満ちた『笑い』を軸に据えた小説に関して少しだけ語って見ましょう。

軽いコメディでは無くて笑わせる事を主軸としている小説。

と言っても小説全般語るのは無理なので、SFとかラノベ方面だけね。


くろねこ教授にとって笑える小説の原点と言えばっ。

小松左京(大)先生!

……になります。

日本SF界の御大。

その代表作は『日本沈没』『復活の日』『首都消失』など、現在でもメディア化によりタイトルを聞く事のあるビッグタイトル。

奇抜なアイデアに加え、広大な知識に支えられたシミュレーションとも思える現実味を帯びた世界を描きだす。

しかしその一方でユーモアたっぷりの作品もいくつも手掛けていらっしゃるのだ。


『日本アパッチ族』

小松大先生の処女長編。

日本の中に『追放刑』が在り、重犯罪者は不毛の大地へ追放される。

ところが彼らは生きていた。

食い物の無い大地で、鉄を食う種族『アパッチ』となって生き延びたのだ。

とんでもなアイデアと軽妙な文章。

ドタバタ喜劇に大阪弁も駆使したボケツッコミが入り非常に面白い。

小松大先生のマジメな小説しか読んだ事の無い方には読んでみて欲しい。


『時間エージェント』

一話完結、短編集的作品。

いわゆるタイムパトロール物。

一人称視点の軽い笑いとちょっとしたお色気サービスが良い。

一話の「イタマがアターイ。ヨロがアシアシ」なんてセリフも面白い。

『ルパン三世』のモンキーパンチ氏によるマンガ化なんかもされてる。


『明日泥棒』

くろねこ教授はメチャ好き。

自分の原点の一つだと思う。

平凡なサラリーマンの主役は怪人物と出会う。

モーニングに袴、下駄ばきの男は『ゴエモン・百二十六万八千九百十一号』と名乗った。

彼の能力に主役くんは振り回される。

平凡な主役くんだけではない。

日本、いや世界全国が振り回されるのだ。

詳しくは書かない。

電子小説としてまだフツーに手に入るようなので是非読んで欲しい。

軽妙なギャグとゆーよりは、そのぶっ飛びっぷりが笑うしか無いのである。


『明日泥棒』の続編とゆーか姉妹作、番外編。

『ゴエモンのニッポン日記』

なんてのもある。

こちらは小説とゆーよりエッセイとかルポものにフィクション要素を混ぜた物。

こっちは無理に読まなくてもいーかな。


そんなカンジで小松左京大先生は実は『笑い』に焦点を当てた作品を幾つも書いていらっしゃるのだ。



さらに星新一先生、言わずと知れたショートショートの神。

くろねこ教授はそこまで傾倒してはいなかったが。

クスっと笑える作品は勿論たっくさんある。



そしてここでSF御三家なんぞと呼ばれた方の最後の一人の登場である。


筒井康隆(鬼)先生!

現在も御存命で創作活動を続けていらっしゃるので、この三人の中では一番知ってる方が多いんじゃないだろうか。

くろねこ教授は若い頃、大分傾倒していた。


初期はドタバタ、ナンセンス、ブラックユーモアに満ちた作品を多く発表していたが、徐々にメタフィクションなど実験的技法の作品を手掛けるようになる。

代表作は多い。

知名度で言えばなんと言っても『時をかける少女』。

今敏監督によってアニメ映画化された『パプリカ』。

何度もドラマ化されている七瀬シリーズ『家族八景』。

近年SNSで話題になったと言う実験的作品『残像に口紅を』。


個人的には『48億の妄想』『エディプスの恋人』『敵』すごく好きなのだが、今回はパス。

この辺は笑いに焦点当ててないしね。

そのウチまた書く事もあるでしょう。


初期短編だと記憶に残ろるのは。

『わが愛の税務署』

『日本以外全部沈没』

『バブリング創世記』

あたりだろうか。


『日本以外全部沈没』はタイトルだけでもう勝ちだよな。

初期作品もただのドタバタでなくどんどん過剰に過激化していく様がカッコ良くおもろい。

倫理的な視点でみてしまうと問題が在り過ぎる作品も多い、多いとゆーか、全部問題だらけだな。


『わが愛の税務署』はえーと、世の中の立場とゆーか階層社会をひっくり返したみたいなカンジ。

主人公の税務署でのハチャメチャっぷりは凄すぎてどうしようもない。


『バブリング創世記』は存在そのものがスゴイ。編集者さんからダメ出しされんかったのか。まぁ、ここまでの原稿渡されたら、ダメは出せないか。

文章を書きたいと思う人なら一度は目を通して欲しい。


『大いなる助走』

これは相当ヒドイ。

文学賞である直廾賞(なおくしょうとよむんだそーな)を取り損ねた作家が選考委員を次々殺していくとゆートンデモ作品。

あからさま過ぎて、逆に批判的価値が認められて許されるとでもゆーか。

ギャグ作品なのか? と言われると……?……だが。

逆にギャグでなくてなんなんだ、と言えば、ギャグ作品と言う他あるまい。


『シナリオ・時をかける少女』

この存在は有名では無いようなのだが……とんでも無茶苦茶なのである。

1980年代の映画『時をかける少女』を観た事があって、そこまでファンじゃない方は目を通して欲しい。

ファンの方は聞かなかった事にしてください。

触れない方が良いと思われる。

シナリオと言うタイトルではあるが、別に映画のシナリオでは無い、短編小説。

登場人物は俳優として存在する主要キャラと、現実的不良高校生達。

主要キャラが映画時をかける少女をやっている中で不良達は学校の備品を壊し女教師に襲い掛かる。

それを見て見ぬふりをして演技を続ける主要キャラ達。

キャラの描写もひどくて棒読みの如く話す、とか書いちゃうのである。

最後にはヒロインが不良達に襲われる。

「あなたは、あなたはいったい誰なの」

「あのすいません。わたし今ちょっとあの襲われています」

「もういや。こんなところはわたし、嫌い。知世はもう、すぐ未来に行きます」

名前は出して無かったのに、知世とか最後の最後に言っちゃうのである。

これ、ホントに訴えられなかったのか。

筒井だから許されたのか。

それとも訴えて、変に炎上商法的に話題になるのが嫌だったのか。

当時の事までは分からないが。

とりあえず、とんでもなくトンガッタ作品なのは間違いない。


て、そんな所で前編は終わる。

後編はラノベ方向に行きます。

……多分。

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