第45話 藤子不二雄様

どーも。

くろねこ教授です。


遅ればせでは有りますが。

藤子不二雄A様のご冥福をお祈りいたします。


みんな知ってる藤子不二雄様。

少しだけ自分の想いなんかも書いてみます。


藤子不二雄A氏と藤子・F・不二雄氏。

共同ペンネーム藤子不二雄を名乗っていましたが1987年にコンビ解消となります。

それ以前の作品もどちらの作品か、区別されました。


A氏の代表作

『怪物くん』

『忍者ハットリくん』

『プロゴルファー猿』

『魔太郎がくる!!』

『まんが道』

『笑ゥせぇるすまん』


F氏の代表作

『ドラえもん』

『パーマン』

『エスパー魔美』

『T・Pぼん』

『キテレツ大百科』

『SF短編集』



『オバケのQ太郎』は共作作品となっている。

余談だが、初期の『オバQ』はA氏、F氏だけではなくトキワ荘メンバー、スタジオゼロの合作。

F氏がQちゃんを、A氏が正太くんを、『釣りバカ日誌』の北見けんいち氏が背景を描いていた。

さらに石ノ森章太郎氏、つのだじろう氏、赤塚不二夫氏らが手伝っていたと言う。

とんでもないメンバーである。

それはそれとして。



こうして見ると、どうしてもF氏の方が高名な作品が多いように感じてしまう。

なにより『ドラえもん』。

国民的作品だし、世界的に有名な作品でも有る。

子供の頃、『ドラえもん』を読んで、多少年齢が高くなった頃、『SF短編集』を読んで、

『藤子・F・不二雄』すげー!!!!

となった人は多いと思う。


いや、もちろんA氏の『笑ゥせぇるすまん』だって、『ハットリくん』だってスゴイのだけれども。



社交的でテレビ出演やインタヴューも多いA氏。

テレビ出演や、インタヴューはほとんどされないF氏。

多趣味でゴルフ等にも精を出されたA氏。

コツコツと漫画を描き続けたF氏。

そういったイメージ。

実際のところは本人達にしか分らない。

編集や関係者との面倒な交渉事をA氏が引き受けていたのかもしれない。


コンビ解消された理由は明確ではない。

お互いの作品の方向性が離れてきたとか、不仲説やら色々ある。

F氏は96年には病気で亡くなっている。

コンビ解消して10年とたっていない。

F氏はA氏に精神的に頼っていたのに引き離された事が原因だ、なんてハナシも出たりした。

F氏の遺族がF氏が病気なのを知り、このままだとA氏に権利のほとんどが渡ってしまうと考えて無理やり権利を分けるためコンビを解散させた、なんて少しイヤなウワサもある。


アクマで噂、他人が勝手に言った事。

A氏、本人は常にF氏こそ本物の天才、自分なんてF氏のおかげでマンガ家になれたようなモノ……と言っていたと言う。

F氏の遺族に関しても、A氏がとやかく言ったと言うハナシは無い。



現在だとやはり『ドラえもん』の印象が強すぎるが、『ドラえもん』がヒットしたのは70年代の終わりから80年代一気に火が付いた。

それ以前は……

『パーマン』のヒットはあったモノの70年代にはF氏の作品は飽きられ、人気も低迷気味だったと言う。

むしろA氏の独特の作品群、『魔太郎がくる!!』『黒ィせぇるすまん』に人気が集中した。

F氏はその作画を中心に行動するようになった。

その中で青年誌で従来の方向とは違った『SF短編』を描いたと言う。


『ドラえもん』が最初に書かれたのが1969年。

当初は話題にならなかったと言う。

アニメ化にはこぎつけたモノのこれもヒットせず半年で終わる。

コミック単行本が発売されたのが1974年。


なんで、そんなにかかるんだよ?!

と思う方も多いだろうが、これは時代の問題。

当時は漫画はナカナカ単行本化されなかった。

雑誌には掲載されたものの単行本化はしなかった漫画の方が多いくらいなのだ。


ところがこの単行本が予想を超えて遥かに売れた。

小学館が驚きのあまり『ドラえもん』を看板にした雑誌『コロコロコミック』を創刊させてしまうくらいである。

そして1979年に再度テレビアニメ化、80年は初の長編映画『のび太の恐竜』ご公開、これも大ヒットとなる。

以降は御存じの通り、国民的作品となっていく。




さて、くろねこ教授が好きな作品はと言うと。


F氏の『SF短編』。

これはやっぱり外せない。

かなりブラックな作品も多い。

『気楽に殺ろうよ』とか、『ミノタウロスの皿』。

価値観の相違を明確に描いた作品。

『ウルトラ・スーパー・デラックスマン』とかも相当にブラック。

個人の正義感で突っ走る男と、他の者が制御できない力の暴走。

この辺の作品が、あのF氏の、こどもの頃から馴染んだカワイイ絵で描かれている辺りがまた、味わいを出すのだと思う。

『劇画オバQ』もスゴイ。

セルフパロディーである。

「正ちゃんに子どもが……」

「ということは……」

「正ちゃんはもう子どもじゃないってことだな……」

良い話。

イイハナシではあるんだけど……相当にほろ苦い。

もしもまだ読んだ事無いって方は一度は読んで欲しい。


後はマイナーな作品だと。

『ドビンソン漂流記』

『モジャ公』

辺りが割と好き。

ドビンソンの表情の変わらないカンジがオモシロイ。

『モジャ公』は冒険譚。

レース編の痛快さはサイコー。


メジャーどころでは。

『パーマン』

パー子が星野スミレであるのかどうか、匂わせたまま進むのがたまらなかった。



そう考えていくと自分の記憶に残ってるのも、やはりF氏の作品なのだな。

A氏では『まんが道』はかなり好き。

石ノ森氏のアシスタントをずっとニコニコしながらやって来た赤塚不二夫氏が。

ついに自分の作品でヒットをモノにして。

呑み屋で毒を吐くシーンとか、すげえ面白い。

まー、アクマで満賀道雄氏から見た主観なので、どこまでホントかは知らんけど。



F氏、A氏と別れてはしまったが、コンビ時代は長く、その作品はお互い手伝い合っているし、相談やアイデア協力も当然しているハズ。

単純にF氏だけのモノ、A氏だけのモノと言える作品では無いと思う。


という訳でまとめとしては。

子供時代のくろねこ教授にとって藤子不二雄様は大きな存在でした。

ありがとうございました。

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