第29話 小説『歌の終わりは海』
どーも。
くろねこ教授です。
小説を投稿しない分、11月末はドンドン『タワゴト』書くぜっ。
ホントウは新作、準備してるんですよ。
書き溜め。
でもまだ投稿や予告できる段階じゃないかな。
今回のお題。
『歌の終わりは海』
森博嗣先生の新作小説でやんす。
おいらは割と森博嗣先生好き。
著作は膨大ですが、小説ならほぼ読んでると思う。
エッセイやインタビューもやたら多く、そこまでは目を通してない。
今回の『歌の終わりは海』は一応ミステリィ小説。
昨年発表された『馬鹿と嘘の弓』とシリーズ続編なのかな。
主役は探偵所長の小川令子。
部下に加部谷恵美。
同じ登場人物なのでシリーズっぽい。
けど講談社ノベルのカバー裏、森博嗣先生作品一覧だとシリーズ外作品になってるな。
『歌の終わりは海』
作詞家、大日向慎太郎の浮気調査をその妻から依頼される探偵小川令子。
依頼人は浮気を疑う理由を語らなかった。
そして、小川令子の旧知の探偵鷹知祐一郎は大日向の自宅で、その姉大日向沙絵子が自殺しているのを発見する。
彼女は車椅子で生活しており、首つり自殺を一人で決行するのは不可能と思われた。
あらすじを書くとミステリィっぽいミステリィですが。
本作は一見ミステリィっぽく語られない。
何故自殺していたのか。
妻は何故浮気調査を小川に頼んだのか。
どの様に大日向沙絵子は自殺していたのか。
そのナゾも、答えらしきモノもチラっとは語られる。
しかし、謎にスポットを当てて興味を煽るように語られる事がない。
どう楽しんでいいのか。
どこが焦点で、どこが見せ場なのかハッキリしない。
全体に、自殺に関する思考が中心に語られる。
「自殺って普通はしてはいけないもの、残された人達が悲しむものって理解じゃ無いですか」
「悲しむのが普通でしょう。ダメだよ、自殺なんかしちゃ」
「でも沙絵子さんのようなケースは立ち直ることはずっと難しい。
病気は治らないんだし周囲の人に迷惑かけることになるわけです。
そんな場合には自殺を選ぶことに対して、ある程度の理解が欲しい」
人それぞれに自分の生き方があり、自分の死に方がある、その自由が基本的にある。
「本当に衝動的に人生から逃避する人もいる訳です。
でも病気だって誤診かもしれない。
そういう時に死を選んでしまうハードルが低いのは安全が確保されてない社会と言えますよね」
そんな話が中心に置かれる。
ミステリィというよりはむしろ哲学的。
森先生の特徴でもあるけれど。
この話がこれ一本で完成しているのか。
何処かで『Xシリーズ』『Gシリーズ』と合体して、その大きな流れの中で意味を持ってきそうな感じもするし、まだ分からない。
にしても加部谷恵美さん、暗くなってしまったなー。
『Gシリーズ』の主役だった時は、明るい女学生。
少し天然なワトスン系キャラだったというのに。
小川令子さんも一緒。
『Xシリーズ』で主役だった時に既に大人びた女性探偵でありつつも、好奇心旺盛キャラ。
事件に首を突っ込んでは襲われるような人だったとゆーのに。
どちらも落ち込み気味。
今回事件に巻き込まれる被害者は鷹知祐一郎くんだな。
でもこいつ、慣れてるし、慌てたりしないからな。
全体に落ち着き過ぎてる雰囲気の作品。
森博嗣先生、もう自作が売れなくてもいーやと思ってるんだよな。
2008年頃、予告引退しているのです。
半引退かな。
この後、作品を発表するペースは遅くなります。
書く小説も残り幾かしかありません。
あなたは書店で森博嗣の名前を見かける機会は少なくなり、やがて多くの人達に忘れ去られる。
そして本当に小説を書かなくなり、森博嗣という存在はいなくなる。
そんな予告。
すでに死ぬまでに使い切れないくらいのお金があるとも言っていて。
場合によっては好感度がだだ下がりしかねない発言。
そういう事を自作のあとがきで書いちゃうトコロが先生らしいとも言えるけど。
ところがこの計画というか予告は見事にハズレます。
『すべてがFになる』
このデビュー作が2014年にはテレビドラマ化。
主演は武井咲に綾野剛。
主題歌は ゲスの極み乙女。
さらに2015年にはテレビアニメ化。
「ノイタミナ」枠、全11話。
書店から森博嗣が減るどころか、コーナー出来まくり。
平積みされて、露出アップ。
森博嗣先生も出版社に泣きつかれたのか、心境の変化か。
新シリーズを書き出したりして。
名前を見かけなくなる様子ナッシングだったのですが。
やっと予告に近い状況になってきたのかな。
と言いつつ、The BBB・作家の英語圏進出プロジェクトなんかにも参加してるし。
でもこれは清涼院流水先生にそそのかされたくさい。
あまり森博嗣先生がやりたがってる風情じゃ無いな。
『Xシリーズ』『Gシリーズ』『馬鹿と嘘の弓』『歌の終わりは海』
この辺の流れ着く先がハッキリするまで書いて欲しいな。
とも思うけど。
作家本人があまり書きたがってないモノを書かせても、良い作品にはならなかろー。
とも思う。
まー見守るしか無いですね。
とりあえず、かなり落ち込み気味の加部谷恵美さんが浮上するシーンは見たいですな。
ではでは。
くろねこ教授でした。
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