第5話 アニメ映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』

どーも。

くろねこ教授です。


今回はアニメ。

『シンエヴァ』。

映画館じゃ無くて配信で見ました。


最初の感想は。

「うーん。25年か。長かったね」

とにもかくにも最初にTV放映されてから25年。

今回はキッチリ完結。

良かったね、という感想ですね。


ネタバレも結構するので、NGな人はここから読まない方が良いです。


ちなみにネットに溢れる論評系はほとんど読んでません。

クリエイターのインタビューは結構読んでます。

ネットでフツーの一般的な話しかしてなかったらゴメンなさい。


とにかく観客にこれで終わりっ、これ以上無いからねっと宣言してる感がスゴイ。

クライマックスに主要キャラ出して、ガーッと説明。

ゲンドウとシンジ君。

理解しあったとか、言いたい事言い合ったまではいかない。

そっぽ向いてたのが、とりあえず向き合ってすれ違った程度に感じられますが。

それでも成長っちゃ、成長だーね。

正直、あまりにも口で説明し過ぎてて野暮ったい。


そうか、エヴァに野暮だと思うような日が来たか。

やはりそろそろ過去の作品。

この時期に終わって正解なのだと思います。


序盤で綾波レイそっくりさんが農業やりながら村の人達と仲良くなっていく。

牧歌的な幸せによる再生みたいな流れからいきなり突き落とす!

あの手口はさすがだなと思うです。


ちなみに畑仕事シーンにはイマイチ納得いってません。

自分もそこまで詳しい訳では無い。

けど秋田で数日農作業体験したり、練馬で貸し畑で野菜作った。

長野で1週間位山籠りした事も有るのです。

ガスも電気も無い山の家。

麓の街へ買い物に行こうとしたら2時間以上。

勿論本気の人から見たら薄い経験でしょう。

そんな薄い経験した自分程度から見てもリアリティが無い。

虫も蛙も居ない水田。

雑草も存在しないんじゃない。

まあアクマでそっくりさんの話。

シンジくんの心の再生では無いしそんなに重要シーンじゃ無いから良いんですけどね。


格好いいシーンはカッコイイ。


荒廃した地球、コア化した大地。

封印柱による一部復興した村。

村から見る徘徊する首の無いエヴァ。

あのイメージは悪魔的でいいよね。


冒頭のフランス舞台にマリのバトル。

外連味も効いてて最高級。

ちゃんとラストに向けてより盛り上がる余地を残す。

後半戦はアスカの裏モード。

眼帯からキーを取り出して

「モードチェンジ、コードトリプルセブン」

あの辺はやっぱりイカしてる。


音楽はどうかな。

『破』のインパクト。

『翼をください』のスゴイ変!パワー。

あれは異化効果狙ったんだろうな。

あれよりは弱い。

松任谷由美の『ボイジャー』。

映画『さよならジュピター』(原作小松左京)80年代映画の主題歌だったりもした歌。

もっとメジャーなユーミンの歌ならロボットアニメの画面と重ねてスゴイ違和感発生したかもと思うのですが。

『ボイジャー』ってどうなんだろ。

自分の知人は知りませんでした。

自分はどこで見たのか、『さよならジュピター』を見ていてけっこう記憶に残ってた歌でした。

歌詞は状況に合ってる。その結果『翼をください』の様な凄まじい違和感!が無くてなんか林原さんの歌唱も含めて中途半端なアニソンが流れたーみたいになってたと思うのです。


エンディングは良かったですよ。

あのラストシーンで「初めてのルーブルはなんて事は無かったわ、私だけのモナリザ~」と宇多田ヒカルの声が流れて来るのは大分オシャレ。

現実社会に着地したな感が有ります。


後、作画スタッフ陣。

もう若い作画の方は自分わかんないな。

あれー、本田雄さんいなくない。

アニメ雑誌に少しエロい綾波の画が有ったら全て本田雄みたいな。

綾波描き代表みたいに思ってたのにな。

宮崎駿監督の新作に抜擢されて、メチャ忙しいというウワサは真実なのか。

今石洋之さんいるな、アスカのアクションシーンかな。

錦織敦史さん総作画監督だし。

トリガー全面協力だな。


あっ、今さらですが自分の庵野監督やガイナックスへの想いを書いておくと。

『トップをねらえ』(1の方):神過ぎる。

『ふしぎの海のナディア』:おおよそ神。

『王立宇宙軍オネアミスの翼』:だいたい神。

『フリクリ』(最初の方):すげえ好き。

『トップをねらえ2』:かなり好き。

そのラインから見ると『エヴァ』はちょっと違うカンジ。

好きだし、見るけど、期待してる物では無いみたいな。

むしろ『グレンラガン』『キルラキル』の方が重要で本筋の好みライン。

今石監督最高。

そうか、『エヴァ破』がけっこう好きなのは鶴巻監督のテイストも出てるからなのかも。

そう考えると『シンエヴァ』も多分鶴巻テイスト入ってるんだろうな。


オッサンから老人にしか分かんない話してるな。


それ以外に『エヴァ』はアニメ産業にも影響した筈なんですよね。

TVアニメによって玩具を売る。

『ガンダム』のガンプラ。

その経済力は圧倒的でした。

そこからアニメで商売になるのは玩具だけじゃない。

アニメーション、それ自体が商品になるという転換。

勿論、それ以前にもLDもVHSを売られてはいたのです。

DVDが本格的に売られ出したのがエヴァの少し後。

それからアニメの売り場はアホみたいに増えたのです。

CDショップや家電量販店で売り場など存在しなかったアニメーション。

アニメのLD買おうと思ったら新星堂行くか、アニメイト行くしか無かった。

それが何処でもアニメのDVD売り場が一角占める様になったのです。

勿論エヴァだけの力じゃ無いですが、エヴァがその時の代表であったことは間違いありません。


その結果、深夜帯1クールのアニメ流して映像媒体を売る商売が基本になった。

日本のTVアニメーションの製作スタイルそのものに影響を与えた訳です。


繰り返し言いますが、エヴァが最初だった訳では無いです。

深夜アニメも1クール、2クール放送で映像媒体販売を当て込んだ作品は既に出ていました。『無責任艦長タイラー』とか。

ただ、『エヴァンゲリオン』のヒットは規模がケタ違いで、その影響力も凄まじく代表作品であると言う事です。


『エヴァンゲリオン』が終わると言うのは、そのスタイルにも限界が来ている時期だと言う象徴の様にも感じられます。


深夜帯1クールのアニメじゃ溢れすぎてて何の話題にもならない。

徐々に市場もアニメーション制作、発表スタイルも変わるのでしょう。

劇場アニメも増えだしているし、NET配信限定の作品も増えてます。


中国資本アニメも大分良くなってるよな。

『天官賜福』なんか普通に見れる。

主役のヤローキャラ三人にもう少し差別化をとは思うけど。


話が大分逸れました。


最後マリエンディングか。

アスカエンデイングだと「気持ち悪い」で終わりだもんな。

ラストにアスカとケンスケと言う予想外のカップル持ち込んだのも正解なんだろうな。

ケンスケ、割と見てる人が自己投影できるキャラだものな。

TVのキャラだけじゃ、エンドシーンに辿り着けなかった。

マリという異分子の持ち込みで解放されたエンドシーン。

真希波・マリ・イラストリアス。

自分の中では最初からアスカの母親なんだけどな。

直観的にそうなんだけど。

その辺は・・・ネットだとそういう説は有るけど時系列や論理的におかしいと否定されてるみたいだな。

まあいいじゃん。

綾波レイに対する碇ユイ、遺伝子提供者みたいなモノと思えばそんなにあり得なく無いんじゃないの。

アスカを突き放した母親は育ての母みたいな。

今さら設定や時系列確認する気は無いが。

そんなカンジ。

しかし母親が自分の娘のボーイフレンドNTRしたと考えちゃうと業が深いな。

鶴巻監督テイスト、アバズレノリならアリかな。


色々言いましたが『シンエヴァ』大体満足です。

ラストにシンジ君が大人になって、(そこだけ声優変えて)ヒロインの手を取って走り出すシーンはそれなりにジワリました。

熱心なファンでは有りませんでしたが25年続いてるアニメですからね。


この後庵野監督は大忙しらしいですね。

『シンウルトラマン』に『シン仮面ライダー』。

仮面ライダーはやっぱり興味有るな。

鶴巻監督にテレビアニメ創って欲しいな。


そんな訳で。

ではでは。

くろねこ教授でした。

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