401話 ミルキーとの夜

 ミルキーに対して、諸々の説明を行った。

 これで下準備は万全だろう。


「ミルキー……。いいな?」


「ああ。アタシも、コウタ坊の女の一人に加えてくれ」


 ミルキーは真剣な表情で告げる。


「ありがとう。では、今すぐにでも……」


「ちょ、ちょっと待ってくれ! 心の準備ができてねぇんだ。コウタ坊は、もう準備ができたのか?」


「俺か? 俺はいつでもオーケーだぞ」


 俺は自信満々に答える。

 そして、ミルキーに近づき抱き寄せた。


「うおっ!?」


 ミルキーは驚いていたが、抵抗はしない。


「ミルキーは綺麗で可愛い。それに、性格だって悪くないだろう?」


「お、おう……」


「俺の女として、不足があるようには思えない」


「ほ、褒めすぎだろ」


「そんなことはない。君は素晴らしい女だ」


「……っ」


 ミルキーの顔が赤く染まる。


「愛してるよ、ミルキー」


「わ、わかったから……。その、キスとかは、まだダメ……んぷっ!?」


 恥ずかしそうな顔で言うミルキーの唇を、強引に奪ってやった。


「んぅーっ!」


 ミルキーは目を見開き、身体を震わせる。

 だが、逃げ出そうとはしなかった。

 むしろ、積極的に舌まで絡めてくる。


「ふぁぁ……」


 たっぷり一分ほど口づけを続けた後、ようやく解放すると、ミルキーは完全に蕩けたような表情になっていた。


「ミルキー……」


「コウタ坊……」


 俺はミルキーを抱き上げベッドへと運ぶ。

 そのまま優しく押し倒し、覆い被さった。


「あ……」


 ミルキーは潤んだ瞳で俺を見つめている。

 その眼差しだけで興奮してしまいそうだ。

 いや、実際にかなり昂ぶっている。

 我慢の限界だ。


「いくぞ」


 俺はミルキーの服に手をかけ、脱がしにかかる。


「あっ……。ま、待ってくれ」


「どうした?」


「そ、その……。やっぱり、今日はやめておくぜ」


「どうして?」


「えっと……」


 ミルキーは視線を落とし、顔を真っ赤にして黙り込んでしまう。


「何か問題があるなら言ってほしい。俺は、ミルキーを傷つけたくはないから」


「実はその……今日は危ない日なんだ」


「ああ、なるほど」


 そういうことか。

 納得だ。

 確かにそれならば、尻込みするのも頷ける。


「気にする必要はないさ。俺が責任を取る」


「いや、でも……。もしコウタ坊の子どもができたら、アタシは……」


「問題ない。俺には養う財力がある。絶対にミルキーと子どもを幸せにする」


「本当……なのか? 本当にアタシなんかと、子どもを作ってくれるのか?」


「当たり前だろ? 俺とミルキーの子だ。きっと可愛いに決まっている」


「コウタ坊……。そこまで考えててくれたなんて……。嬉しいぜ……。ぐすっ……」


「ミルキー……」


 俺は泣き出したミルキーを強く抱きしめたのだった。

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