385話 毒蛇団の掃討に向けて

「さあて。『毒蛇団』の掃討に向けて、準備を進めないとな」


 俺はそうつぶやく。

 ウルゴ陛下やギルドマスターから提示を受けた期限は半年。

 俺たち『悠久の風』にかかれば、もっと短い期間での掃討も可能だ。


 暫定の目標は1、2か月といったところか。

 さすがに1週間とかは無理だな。

 『毒蛇団』はそれなりに大きな闇ギルドで、頭目の『毒霧』のアルヴィンはAランク相当の実力を持つらしいし。


「ご主人様の名声のため、わたしも頑張りますよ! コウタ・エウロス男爵の名前を世界に轟かせましょう!!」


「僕も頑張る。闇ギルドの掃討はとんでもなく危険な仕事だけど……。迷宮討伐に比べればまだ楽かな」


 シルヴィとユヅキがそう言う。

 俺はもちろん彼女たちの手も借りるつもりだ。

 『悠久の風』に加入して長いこの2人の戦闘能力は、俺に次いで高い。

 頼りになる存在だ。


「ボクも協力するのです。ミルキーさんに安心して鍛冶場を任せるためにも」


「へへっ。あたいもだぜ。料亭ハーゼにも、たまにチンピラが来てるらしいんだよ。ルンの奴が安心して料理できるよう、闇ギルドは潰しておかねぇとな!」


 ミナとリンがそう言ってくれた。

 彼女たちもまた、俺が頼れる仲間である。


「ありがとう。みんなの協力があれば百人力さ」


 俺は素直に感謝した。

 それから俺は、他のメンバーたちを見る。


「……ティータも手伝うよ。コウタちゃんのためならね……」


「当然、わたくしもですわ。平民の安寧を守るのも貴族の務めですもの」


 ティータとローズはこのエルカの町との関わりがやや薄い。

 だが、俺の仲間なので当然に手伝ってくれるようだ。


「もちろん俺も協力するぜ!」


「……えっと。『毒蛇団』にはあたしも苦しめられました。同じような被害者を出すわけにはいきません。主様にいただいた力で、ちゃんと潰しておきたいと思います」


「同じくですにゃ。私もギルド職員として、いつも頭を悩まされていた存在ですにゃ。必ずや根絶やしにしてみせますにゃん」


 グレイス、エメラダ、セリアの三人は、それぞれ個人的な感情も持っているようだ。

 そのやる気に疑いの余地はない。


「みんな、ありがとう。しかし、敵はそれなりに強大だ。準備を整えておく必要がある。これから進めていきたいことが4つあるんだ」


「4つですか。具体的にはどのようなものでしょうか? ご主人様」


「最終目標としてのミッションの共有、武具の新調、『悠久の風』のメンバー拡充、『毒蛇団』に関する情報収集。この4つだな」


 順番に打ち合わせていくことにしよう。

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