253話 最新ステータス ローズ

 ゴブリンと戦いながら、みんなのステータスを確認している。

 次はローズのステータスに目を通そう。



ローズ

種族:人族

ファーストジョブ:一流貴族レベル7

セカンドジョブ:治療魔法使いレベル26

サードジョブ:弓士レベル21

控えジョブ:貴族レベル30

HP:C(03/10)

MP:B(02/30)

闘気:D(04/05)

腕力:C(00/10)

脚力:C(01/10)

器用:C(09/10)


アクティブスキル:

『治療魔法使い』ヒール、エリアヒール、リカバリー

『弓士』五月雨撃ち


パッシブスキル:

『一流貴族』気品向上、全ステータス上昇(微)、思考力上昇、パーティメンバー気力上昇、マナー向上

『治療魔法使い』MP強化

『弓士』器用強化



 ローズのファーストジョブは『一流貴族』だ。

 『貴族』の上級職である。

 貴族家に生まれればほぼ誰でも取得できる『貴族』とは異なり、ちゃんとジョブレベルを上げた者だけが就けるジョブだ。


 その恩恵は、『貴族』と同様に、多種多様なパッシブスキルにある。

 中でも特筆すべきは、気品や思考力、マナーの向上だろう。

 ローズは子爵家の令嬢として教育を受けてきたそうだが、パッシブスキルの面からもそれらが強化される。

 戦闘には直接役に立たないスキルなので、ティータの『森林守護者』のようにサードジョブに下げるか迷った。

 しかし、俺が今後入婿として貴族の仲間入りをすることを考えると、彼女の『一流貴族』の能力は有効活用したいところだ。

 よって、そのままファーストジョブにしておいた。


「いきますわよっ! 【五月雨撃ち】!」


 ローズが矢を放つ。

 矢の数は五本以上あるように見える。

 それがゴブリンたちに向かって飛んでいく。


「グギャッ!?」


「ギィッ!!」


「グゲェッ!!」


 次々に悲鳴が上がる。

 ゴブリンたちの身体に突き刺さり、絶命させていく。

 この攻撃は、闘気を消費することで発動する『弓士』のアクティブスキルだ。

 システムのサポートを受けて、高速かつ正確な弓矢の連射が可能となる。


「…………すごいな」


 俺は思わず呟いた。

 ローズの弓の実力は高い。

 『悠久の風』の面々は多種多様なジョブを持つ。

 特に近接系のジョブや魔法系のジョブは豊富だ。


 しかし一方で、物理の遠距離系ジョブはローズの弓士だけだ。

 ゴブリン相手なら得意な戦法で倒せばいいのだが、今後戦っていく魔物の種類次第では、攻撃手段が限られる場合もある。

 ローズの『弓士』は貴重だ。


「うふふ、お褒めいただき光栄ですわ」


 優雅に一礼してみせるローズ。


「……でも、コウタ殿の総合力に比べたらまだまだ未熟でございますわ。わたくしも早くコウタ殿に並べるようになりたいものです」


「いやいや。確かに近接戦闘や攻撃魔法では俺に敵わないかもしれない。しかし、ローズは俺が持っていないものをたくさん持っている」


 俺は言った。


「ふふふ。そうですか?」


「ああ。まず、貴族としての教養や礼儀作法だ。俺は平民育ちで、そういうのに疎い。ローズの考え方や立ち振る舞いは参考になる」


「なるほど。そういう視点でご覧になっていましたのね。嬉しいですわ……」


 頬に手を当てて微笑むローズ。


「あとは、弓士としての腕前。物理の遠距離攻撃手段として貴重な存在だ。それに、治療魔法も頼りになる。ローズの治療魔法があるおかげで、俺たちは安心して魔物狩りを行えるんだ。いつもありがとう」


「まあ……。そんなふうに思ってくださっていたなんて。感激でございます……」


 目を潤ませるローズ。

 そんな彼女を見ていると、俺まで嬉しくなってくる。


 さて。

 ローズのステータスの確認は終わった。

 最後に、グレイスのステータスを確認しておこう。

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