248話 最新ステータス シルヴィ

 エルカの町までの道中で、ゴブリンの群れに遭遇した。

 大した相手ではないので、俺はみんなのステータスを確認しつつ見守ることにする。

 まずはシルヴィのステータスを見てみよう。



シルヴィ

種族:白狼族

ファーストジョブ:氷魔導師レベル7

セカンドジョブ:聖獣戦士レベル4

サードジョブ:獣闘士レベル29

控えジョブ:氷魔法使いレベル30、獣戦士レベル30、料理人レベル3

HP:C(06/10)

MP:B(09/30)

闘気:C(02/10)

腕力:C(02/10)

脚力:C(07/10)

器用:C(02/10)


アクティブスキル:

『氷魔導師』アイスショット、アイシクルスピア、アイスストーム

『聖獣戦士』ビーストストライク、ダブルビーストストライク、ヘビィビーストストライク

『獣闘士』裂空脚、砲撃連拳、獣化


パッシブスキル:

『氷魔導師』パーティメンバー寒さ耐性向上、MP強化、詠唱時間短縮

『聖獣戦士』脚力強化

『獣闘士』脚力強化



 シルヴィはファーストジョブの『氷魔導師』のジョブレベルが上がり、十分に実戦レベルに達した。

 さらにはセカンドジョブの『獣戦士』が上級ジョブの『聖獣戦士』に進化したことで、より安定した戦いが可能になっている。

 加えて『獣闘士』についても、上級ジョブが間近に迫りつつある。

 『聖獣闘士』になれば、さらに強力な攻撃が可能となるはずだ。


「はああぁっ! 【アイシクルスピア】!!」


「ギィッ!!」


 シルヴィは、氷の槍をゴブリンの頭部に突き刺す。

 ゴブリンは一撃で倒れ伏し、絶命した。


「よし!」


 シルヴィは嬉しそうだ。

 彼女は続けて、次の獲物と対峙する。


「ギィッ!」


 ゴブリンが、シルヴィに棍棒を振り下ろす。

 しかし、それは難なく避けられた。

 そして、


「せいやあっ! 【ビーストストライク】!!」


「ギャアアッ!?」


 シルヴィが放った強烈なアクティブスキルにより、ゴブリンは吹っ飛んでいく。

 そのまま木に衝突し、動かなくなった。


「ふう……」


「お疲れ様、シルヴィ」


「はい! ご主人様、ご覧になっていただけましたか?」


「ああ。しっかり戦えていたと思うよ」


 俺はそう言ってやる。


「ありがとうございます」


 シルヴィは、はにかんで笑った。

 思えば、彼女との付き合いも長い。

 俺がこの世界に来てうまくやってこれたのは、彼女の存在がかなり大きいだろう。


 シルヴィの存在がなければ、俺の心はもっと荒んでいたに違いない。

 もちろん、ユヅキやミナ、リンたちの存在もあったが。

 最初の仲間になってくれたシルヴィには、感謝しかない。

 俺は、シルヴィを抱き寄せる。


「きゃ……! ご、ご主人様……」


「シルヴィ。君がいてくれて良かった」


「わ、私こそ、ご主人様がいて本当にうれしいです」


 シルヴィは俺の腕の中で、そう言った。

 可愛いなあ……。


 俺の正妻は、身分を考慮して子爵家令嬢のローズとなる予定だ。

 一方で、最初期からずっと俺を支えてくれているシルヴィの身分は未だに奴隷のままである。

 本人は気にしていない様子だが……。

 いずれは、シルヴィも解放してあげたい。

 俺はそんなことを考えながら、シルヴィの頭を撫でるのだった。


 さて。

 次はユヅキのステータスを確認しておくとしよう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る