171話 責任を取りたい

 俺たち『悠久の風』は、ブラックワイバーンを討伐したことをクラウスに報告した。

 魔石も提示したし、信じてもらえた様子である。

 彼の屋敷に案内され、しばらく情報共有をしていく。


 その間に兵士たちによりブラックワイバーンの討伐を改めて確認していたようだ。

 奴の死体が町まで運ばれてきている。

 これでいよいよ、脅威が完全に去ったことを広く認知してもらえただろう。


「……さて。君たちの健闘を称えたい。この町を救ってくれた英雄だ」


「うむ。称賛の声はありがたくいただいておこう。しかし、ローズやティータの助力のおかげでもあるがな」


 俺は多少の謙遜をしておく。


「殊勝なことだ。信頼の証として、コウタ殿にこれを授けよう。我が家の紋章だ」


 彼は胸元に付けていた紋章入りのペンダントを手渡してきた。


「ありがたく頂戴する」


 俺はそのペンダントを受け取った。

 クラウスから俺に対する確かな評価を得られたようである。

 今なら、ローズのことも……。


「ローズ。俺はお前を愛している。どうか結婚してほしい」


「……」


 彼女は俯いて何も言わない。

 一方のクラウスは、衝撃で口をぽかんと開けている。

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