67話 最新ステータス

 エルカ草原にて、リンのセカンドジョブに『獣闘士』を設定した。

 新たな力を試しつつ、俺たち全員のステータスを確認しておこう。


「凍てつく氷の精霊よ。契約によりて我が指示に従え。氷の槍を撃ち出し、我が眼前の敵を貫け。アイシクルスピア!」


 俺が新しく習得した氷魔法を受けて、ゴブリンが息絶える。



コウタ

種族:人族

ファーストジョブ:風魔法使いレベル19

セカンドジョブ:鍛冶師レベル7

サードジョブ:剣士レベル16

フォースジョブ:氷魔法使いレベル10

HP:D++

MP:C++++

闘気:D+

腕力:D+++

脚力:D+

器用:D++


システムスキル:

ジョブ設定

経験値ブースト

パーティメンバー設定

パーティメンバー経験値ブースト

魔石蓄積ブースト


アクティブスキル:

ウインドカッター

エアバースト

ラッシュ

ダブルラッシュ

アイスショット

アイシクルスピア


パッシブスキル:

MP強化

腕力強化

火耐性強化



 俺は各ジョブのレベルが少しずつ上がった。

 モンスターハウスで大量に魔物を狩った成果だろう。

 ステータスも、安定して高くなってきた。


 ミッション報酬で、『魔力蓄積ブースト』を取得した。

 MSCと同じ仕様ならば、魔物を討伐した際に残される魔石の質が向上するスキルである。


 『悠久の風』にとって、魔石は日常的に使用するものではない。

 定期的に冒険者ギルドに売却し、現金収入を得ている。

 そういう意味では、単純に現金収入が今後増えると考えていいだろう。

 シルヴィの購入代金の分割払いのペースも上げられる。

 彼女に手を出せるようになる日も近い。


 新たに得たスキルは、『アイシクルスピア』と『火耐性強化』だ。

 ただ、あって困るスキルではないものの、現状では特に有用ではないスキルである。


 俺の『アイシクルスピア』は、消費MPの割りに威力が低く使い勝手が悪い。

 魔法自体の問題ではなく、俺が『氷魔法使い』をフォースジョブに設定している影響だ。

 普通にファーストジョブの風魔法を使ったほうがいい。

 風魔法の効きがイマイチで、氷魔法が効きやすい魔物に対してだけは使うこともあるだろう。


 『火耐性強化』も、現状では特に出番がなさそうか。

 初級の魔物には、火魔法やブレスを放ってくるやつはいないからな。

 とはいえ、あって困るものではない。

 戦闘時だけではなく、鍛冶や料理の際の火に対する耐性も向上するし。



 次はシルヴィだ。


「豪快なる戦の神よ。我が戦技に奇跡を与え給え。敏速なる連撃。ダブルビーストストライク」


 ズバズバッ!

 シルヴィの連撃により、ホーンラビットが息絶える。



シルヴィ

種族:白狼族

ファーストジョブ:氷魔法使いレベル17

セカンドジョブ:獣戦士レベル16

HP:D

MP:C++

闘気:E+++

腕力:E+++

脚力:D

器用:E+++


アクティブスキル:

アイスショット

アイシクルスピア

ビーストストライク

ダブルビーストストライク


パッシブスキル:

脚力強化



 シルヴィもステータスが高くなってきた。

 MPと脚力の値が高めだ。

 基本的には『氷魔法使い』として威力の高い氷魔法をぶっ放しつつ、いざというときには脚力を活かした接近戦もできる感じだ。

 新しく得た『ダブルビーストストライク』により、トドメの連撃の威力にも期待できる。



 次にユヅキの力を試す。


「鮮やかなる剣の神よ。我が剣技に奇跡を与え給え。俊敏なる連撃。ダブルビーストラッシュ」


 ユヅキが新しく得たアクティブスキルで、ホーンラビットを撃破する。



ユヅキ

種族:茶犬族

ファーストジョブ:獣剣士レベル17

セカンドジョブ:土魔法使いレベル15

HP:E+++

MP:D+++

闘気:E++

腕力:E+++

脚力:D+

器用:D+++


アクティブスキル:

ビーストラッシュ

ダブルビーストラッシュ

クリエイトブロック

ロックウォール


パッシブスキル:

腕力強化

MP強化



 ユヅキは器用とMPのステータスが高めだ。

 基本的には前衛として戦いながら、時には魔法で攻撃する柔軟な戦闘スタイルである。

 『ダブルビーストラッシュ』は強力だし、『MP強化』の恩恵により魔法の出力も上がっている。

 今後さらなる活躍が期待できるだろう。



 お次はミナの新技だ。


「豪胆なる槌の神よ。我が腕に奇跡を与え給え。粉砕する一撃。ビッグ……ボンバー!」


 ドゴオン!

 ミナの強烈な一撃により、ホーンラビットがぺちゃんこになる。



ミナ

種族:ドワーフ

ファーストジョブ:鍛冶師レベル14

セカンドジョブ:槌士レベル9

HP:E++

MP:E+

闘気:E++++

腕力:C

脚力:E+

器用:E+++


アクティブスキル:

ビッグボンバー


パッシブスキル:

火耐性強化

腕力強化



 ミナは、この数日の狩りで一気にレベルが上がった。

 特に、俺とリンがモンスターハウスを突破したのは大きかった。

 俺たちは『パーティメンバー設定』によりパーティを組んでいるので、ある程度は経験値が共有されるのだ。


 ステータス上は、腕力が強い。

 『鍛冶師』も『槌士』も腕力が伸びやすいジョブなので、それも当然だ。

 さらに、パッシブスキルに『腕力強化』があるため、ステータス上の表記以上に腕力が強くなっているはずである。


 ただし、それ以外の能力は低めだ。

 俺やユヅキでうまく魔物のスキをつくって、きつい一撃をぶちかましてもらう戦法が有効だろう。



 最後はリンだ。


「みんなすげえぜ。あたいも負けてられねえ! あらよっと!」


 リンの回し蹴りがゴブリンにクリーンヒットする。



リン

種族:金兎族

ファーストジョブ:料理人レベル10

セカンドジョブ:獣闘士レベル4

HP:E++

MP:E+

闘気:E+

腕力:E+

脚力:E++++

器用:E+++


パッシブスキル:

斬耐性強化

器用強化



 彼女のジョブレベルはまだ低めだ。

 モンスターハウスでの経験値は入っているはずだが、あの時点ではまだ『パーティメンバー設定』の対象者ではなかった。

 そのため、『パーティメンバー経験値ブースト』の恩恵を受けていない。


 あの修羅場をくぐっても、チートがなければ一足飛びに成長できるわけではないのだ。

 今後の急成長に期待しよう。


「よし。久しぶりの狩りの者もいただろうが、特に問題はないな」


「そうですね! ご主人様のおかげでみんな強くなっています!」


「うん。今の僕たちなら、ゴーレムだって以前よりも楽に倒せるんじゃないかな」


 ユヅキがそう言う。

 俺の『パーティメンバー経験値ブースト』の恩恵により、みんなどんどん成長している。

 前回の時点でも特に苦労なく倒したゴーレムだが、今はそれ以上に楽に倒せても不思議ではない。


「明日から、またがんばるのです! オリハルコンの入手のために」


「それが終われば、あたいのリトルブラックタイガー狩りだな。コンテスト本番分の肉はあるが、練習用にもう少しほしいからな」


 ミナはさらなるオリハルコンの入手のため、リンはさらなるリトルブラックタイガーの肉の入手のため。

 そして俺、シルヴィ、ユヅキは、冒険者として経験を積んでさらに上を目指すため。

 しばらくはエルカ迷宮で活動することになる。

 気を引き締めていきたいところだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る