黄色い水仙

ハレルヤ

はじめまして

高校生と言ったら、皆さんは何を思い浮かべますか?












部活?勉強?恋愛?














それとも、青春アオハル??













「そんなの全くなーーーーーーーい!」







「ちょっと、千遥ちはるあんたこんな道のど真ん中で何叫んでるの!?」


そうだった。ここは住宅街、道の真ん中、しかも朝のバス停の前。



周りからの冷ややかな視線が痛い。




「いくら前の彼氏に振られたからって落ち込みすぎなんだって。」


クラスメイトの鈴森花菜すずもりはなが少し怒り気味に言ってくる。


「だって付き合って4日で振られるとか有り得る?あっちから告って来たんだよ?」

私はついつい反論した。


「いや、まぁ確かにそれは、うん、ドンマイ」

「全然慰めになってないんですけど。」

「まぁまぁとりあえず、そんな前の事なんか忘れてさ、また新しい彼氏くらいすぐ出来るよ。」


「いや、絶対出来ない。」

「なんでよ、出会いは沢山あるでしょ。」

「どこでそんな出会いがあるのよ。」

「まぁ、学校とか?うちらの学校生徒数多いからクラス替えの度に知らない人と出会うじゃん。だからほっといてもすぐ出来るよ。」


「うーーーーん」

思わず唸った。


「でもそれだけが問題じゃない。」

「何よ、他に問題なんてある?」

「私、ろくに男子と話せないのよ?そんな奴と付き合いたい男子なんている?」

「いや、現に昨日まで付き合ってたじゃん。」

「4日だけじゃん。ってか今思ったらあれ冷やかしだったんじゃ。」

「冷やかしにしては続いたんじゃない?笑」


花菜が笑いながら言う。

完全にいじられてる。


「っていうかなんで千遥って男子と話さないの?恥ずかしいの?笑」


まだいじってくるか


「昔男子にからかわれたりしてて、それでトラウマになっちゃった。」


「ほら、やっぱりしょうもない過去引きずってる。」


「もう、そんなの分かってるから。」

私は明らかに不機嫌な顔をした。


「あ、ごめん。」

花菜も察したようだった。


「そんな事より、あなたにはすぐ彼氏が出来るわよ。私が保証する。」

「いや、彼氏いない花菜に言われても説得力ないんだけど。」

「そんなの関係ないでしょ。」

「大ありでしょ!」

ついつい大声を出してしまった。




周りからの視線がかなり痛い。




「千遥ってさ、どうでもいい事ほんとに気にするよね。さっきもまた過去の事めっちゃ引きずってたし。」

「今回に関してはどうでも良くないと思うけど?」


花菜は少し苦笑いした。


「まぁ、華のJKブランドもあと1年しか無いんだし、今日から切り替えて行こうよ。クラス替えで、あるかもよ?」


そう言って花菜はバスに飛び乗った。


確かに、今日は始業式、クラス替えがある。

高3は受験もあって恋愛どころじゃないかもだけど、せめて1回くらいまともな青春がしたい。


「よし。」私は気合いを入れて、

バスに足を踏み入れた。
















この1歩が、私を変えた。

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