いらない人間

井上和音@統合失調症・発達障害ブロガー

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 いらない人間は確かにいる。社会の歯車に乗せられ、誰にでも代替物として接せられ、安月給で働かされ、何の目標もなく毎日を同じように繰り返すリズムの中で生きる者たちだ。そのような人間は『いらない者』ないしは『いらない物』として生きていく。抵抗する力も鈍り、単純な労働の中で考えることを放棄する。ただただ奴隷のように扱われ、飯も食えない時給で、延々と働かされる。そうなったのは自分のせいじゃないか、と言われる声高々な説教も耳に聞こえてくるようだ。何でここまで落ちたんだろう。考えることに夢中で何一つ前進しない。私は負けた。ただそれだけだ。何に負けた? それは一つだけ。

 統合失調症だ。

 一度なってしまうと二度と復帰が困難と言われる病気に対して、私は。幻聴もなく、おかしな現象もなく、かつてドロップアウトしてしまった大学の四年間も、異常な自分だったのかわからないけれど、統合失調症に落ちた。初めは大規模な宗教がらみの集団ストーカーに思われた。思われた、のではなく、実際に。今では死んでしまえと言いたくなるような煩わしい集団ストーカーはぱたりといなくなった、わけではない。バイト先からの帰りに、もう正職員として雇われないことが決められた時に、もう辞めようか悩んでいる時に、帰りの自転車の横で、満面の笑みでタバコを吸う人間がいて、一個間違えれば殺してやろうと思われる境遇に出会った。私は何か罪を犯したのだろうか。

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