きみがため をしからざりし
何気なく点けていたテレビから聞こえてきた声に注意を向けなかったら、貴方のことは知らないままだったのかもしれない。
芯のある心地良い低音の声に惹かれて、私はいつのまにかWikipediaで検索していた。
名前、誕生日、血液型、身長、好きなもの。
彼のことを調べる手が止まらなかった。彼のことをもっと知りたい、といつも思うようになっていった。
アニメの出演を知れば録画してリアタイし、ラジオがあると知れば毎週欠かさずに聞き、メールを送る。彼のユニットの曲も片っ端から聴き漁った。
もう、私は完全に彼らの“ヲタク”となっていっていた。
・
彼のユニットの4回目のライブが決まった。
いつも都心でしかやっていなかった彼らだったが、今回のライブは地方でも開催。
日本の端に住んでいる私でも何とか行ける距離。
何としても行きたい。彼を一目でも見たい。
・
何とかチケットは当たった。あとはライブに向けて資金を貯め、体調を整えてライブを待つのみ。
彼に会えるんだ。それが私の原動力となった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます