7日間、君と。

藁観

365日目


「明日、頑張れよ。」


待ちに待った夏休みを前にして、溜まりに溜まった荷物を抱えた和斗が言う。



「でもよ、お前ほんとに1年で変わったよな。」


本当にそうだ。

髪型からスキンケア。告白の言葉も、奥の細道くらい推敲した自信がある。


「言われなくても分かってら。」


どれもこれも、全ては、明日のため。

彼女に、菜都に俺の気持ちを伝えるため。


でも、これは俺が告白する物語ではない。

この告白は、新たな物語の始まりかもしれないのと同時に、この物語の終着点でもある。

これは、365日前に始まった、俺と菜都の7日間の物語。

告白の後は…又、別の話だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る