第1話

 私達人間は、生きていく上で様々なものを造り上げてきた創造主クリエイターであった。しかし、人間の作ったものは程度の差こそあれ、壊れる時がくる。壊れはせずとも廃れてしまうものもある。廃れてしまったものは受け継がれることなく人々の記憶から薄れていく。つまりは“死”。それも1種の“壊れる”ことなのかもしれない。

 私達人間は、生きていく上で様々なものを打ち壊してきた破壊主デストロイヤーでもあった。発展のため。効率化を図るため。必要ないから。理由は違えど自然破壊・動物の殺傷なんて日常の中に潜んでいる。だから台風にしろ地震にしろ、自然災害が起こるのかもしれない。人間が身勝手な理由で壊すから、その天誅てんちゅうなのかもしれない。私は、そう考えていた。

 だからこそ、全てが壊れてしまう日。人間が手に入れた権力・富。地位名声。人間が築き上げてきた文化・文明そして国家さえもが崩壊してしまう。

 そんな日がくるのだろうな、と考えを持っていた時、私はまだ学生であった。

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