私が考える本能寺の変
さんざん調査され研究され尽くしてきた本能寺の変関連の書籍には大分お世話になりました。
非常に細かく、史料と史料とが付き合わされ、あーでもないこーでもないと偉い歴史研究家の方々が議論されてるところ私なんかがとやかく言うのは申し訳ないんですが、とりあえず黒幕説はないだろーねー と思ってしまったので書きます。
理由は、「だって、戦国時代にLINEないし」です。
この人怪しいから黒幕だろーって方向から考えると推理小説みたいに沢山の犯人候補が。
何で黒幕が、こーんなに増えてしまったと思うに、光秀ごときが何で血迷って信長を突然倒そうと思ったか、納得いく理由が見つからないから、影でそそのかしてる奴いたんだろーというのが根本にあるような気がします。
この小説書くまで光秀の事良く知らなかった私が言うのもなんですが、知れば知る程、光秀って凄いなあ 明智幕府もありなんじゃないのというくらい目から鱗な感じでした。
佐久間信盛失脚後の与力数は家中No.1
軍事力も勿論凄いですが、この時代なので与力の数ではなく、どこの場所を支配していたかが大きなポイントだと思いました。
彼が謀反に踏み切れたのは、畿内で力を持っていたからというのが大きいような気がします。
LINEもそうですが交通手段が発達していない時代に越後とかで謀反起こしてもねー。
信長が天下に一番近づけたのも、信玄や毛利や謙信よりも立地が有利だったからというのはあるでしょうし。
黒幕とされる人物で有力なのは、秀吉、家康、朝廷、足利義昭辺りでしょうが、やっばり秀吉と家康と考えた場合、二人が怪しくても一体いつから光秀と通じていて、謀反の好機を狙ってたの?ってなっちゃいます。
だってLINEないし。
リアルタイムでやり取り出来ないし、新幹線も飛行機もないので、遠くの人と意思を通じ合うのに、書状出して返信あるまで二週間くらい下手すりゃかかりますから。
本能寺の変の実行犯が光秀である以上、秀吉と家康と手を組む事にメリットがあると彼が考えなければ成し得ない訳です。
本能寺の変が仕組まれた物という説もありましたが、必然だけではどうにもならない偶然が重なり出来た千載一遇のチャンスに連係して事に当たる為にはLINE必須でしょう。
秀吉の動きが怪しいとか、結末から見れば本能寺で美味しい思いをしたのは秀吉だから黒幕と思いがちですが、そもそも、光秀をそそのかし信長を討たせ、素知らぬ顔で光秀を始末し天下人という流れに持っていくの相当大変です。
個人単位で行動してるなら、催眠術か弱味握って光秀に殺らせたとも推理出来ますが、秀吉が二万人近い兵を引き連れ中国から都を目指したのは事実です。
前以て知ってて準備してても、新幹線や飛行機のようにもいかないし、LINEないですから、リアルタイムで情報は流石に得られない訳です。
街灯も無い時代の夜は暗く、道も整備されていないのに、確実に光秀を討てる保証どこにもないと思います。
秀吉を黒幕とするなら、信長を討った光秀を討たなければ秀吉が光秀と組むメリット何処にもないですし。
結末から見れば光秀を討っているのですが、勝てる確実な保証がどこにも無い秀吉が黒幕であるのは難しいと思いました。
黒幕説がイマイチ説得力ないなと感じるのは、光秀は重臣にさえぎりぎりまで謀反の企てを告げていません。
それは、企てが外に漏れる事と、計画に反対されるのを防ぐ為なのは明らかで、秀吉なんかと以前から手を組んでいて、しかも中国にいて毛利と対峙してる奴なんか全く当てに出来ないです。
光秀が当てにするとしたら細川藤孝と筒井順慶ですが、二人は企てを前以て知っていたような動きをしていませんから、知らなかったのだと思います。
知っていたのなら、光秀は怒っているでしょうし。
畿内の有力な縁戚関係にある二人ですら事前に仲間に加えていないのに、秀吉とか家康とか最早有り得ないレベルに思えてしまいます。
中国から急行した秀吉がへとへとだったのは間違いなく、光秀が細川と筒井を味方に引き込めなかったから勝てたのであって、光秀が予定通り二人を味方に付けていたら秀吉が勝つのは難しかったでしょう。
信長が討たれた時点で光秀に付くのか、敵対するのか迷うのが当たり前の状況で、相手の戦力を正確に把握するのが難しい時代に、全く迷う事なく光秀を討とうという行動を秀吉は取っている訳です。
女城主信虎?大河ドラマあまり見てなかったですが、本能寺の変は「老人雑話」の説を採用していました。
家康を討てと命じられた光秀が家康に打ち明け、逆に信長を討ってしまうという荒唐無稽な話です。
家康殺したいなら、安土で接待してる時に毒でも仕込んで病死したとか言っておけば良い話で、本能寺におびき寄せる必要全くないです。
しかも信長に家康を討つメリットが全くないと思うので、この説はツッコミどころあり過ぎでしょう。
家康が座りし儘に餅を食ったのは確かですが、家康が黒幕だったらどんだけの偶然を待ちに待ったんだって思います。
秀吉がいつ死ぬのか、秀頼がいつ生まれるのか、関ヶ原や大阪の陣で戦い、やっと天下人になったの70代くらいですよ。
せっかく光秀と手を組み、信長を討ったのに、秀吉より自分が先に死ぬ可能性ありますから、あんなに待ってたら本能寺のメリット家康には全くナッシングです。
此処までで勝手に秀吉と家康を黒幕から却下しましたが、残る朝廷と足利義昭だけは勝手が違います。
それは、あまりLINE必要ないってとこです。
この二つの勢力は光秀よりも上の立場で命令する権利を持っています。
しかも、この二つの勢力に命令されて謀反を起こしたのであれば大義名分は成り立ちます。
家康や秀吉なら対等の立場なので頻繁に連絡を取り合い、お互いに裏切らないように綿密に事に当たる必要ありますが、朝廷と足利義昭なら、そこまでの必要はないでしょう。
ある意味軍議すら必要なく、ただ光秀に信長を討てと命じるだけで良いのです。
足利義昭と手を組んでいたという説は、それなりに説得力を感じたのですが、結局本能寺の変の後、表に出てきてないよねって言うところと、場所も遠いし、光秀に義昭を利用しようとする動きはあるものの、あくまでも大義名分として利用するのは朝廷の権威で、実際親友の吉田兼和は朝廷からの使いで本能寺の変の後、直ぐに光秀に会いに行ってますから、あまり義昭を積極的に担ぎ上げる感じが見えてこないです。
朝廷と細川藤孝と筒井順慶さえ取り合えず抑えれば、畿内を制圧出来、迷っている武将も従うと思ったんじゃないでしょうか。
一応、忘れられた権威の義昭も担ごうとした書状があるようですが、日付に積極性が感じられず、朝廷を取り込んだけど、意外に自分に従わない武将達が多いので仕方なく義昭も担ぎ出そうとしたようにしか見えません。
義昭を担ぎ出すメリットが大してないのに 、謀反を起こしたのであれば、光秀が信長を討ったのは義昭の為であり、凄い忠誠心ですよねって事になっちゃいますが、そんな風に見えますか?って話な訳です。
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