【第7章 敦盛】


 安土宗論の流れは記録された、その儘なので、あまり書くことはないのです

 多分八百長だっただろうと。



 蘭丸の兄長可の人柄を伝える逸話はほぼ全てこんな感です。

 しかも敵方ではなく森家の子孫が書いてますから、先祖の事を貶めたがっているとは思えません。

 蛮勇を誇るという考え方で、そういう方向に盛ったんでしょうね。


 因みに津山藩初代藩主の森忠政(仙千代)が同僚にキレて頭を叩いて小姓をクビになった話も敵が書いているのではなく、森家の史料にあるので、この不名誉極まりない逸話を書き記した理由は、森家はひたすら正直だったからと解釈するしかないです。


 築山殿事件の話しですが、こちらは徳川家捏造疑惑です。

 時代劇では、信長が家康の妻を斬らせ、嫡男を切腹に追い込んだというのがポピュラーな定説だったのですが、調べたら、何と新説に変わっていたあー。


 実は私も新説を知らずにいまして、新しい説によると、徳川家の御家騒動だから、信長が二人の死を望んだのではなく、どうにもしようがなくなった家康が二人を始末したのではないかという流れに変わっているようなのです。


 この頃の織田と徳川の力関係を見ると、まだ同盟関係で武田討伐の前です。

 徳川は武田、北条を牽制できる立地にあり、長く同盟関係を結んできた家康の妻と嫡男を、積極的に信長が始末しようとは確かに考えにくいです。


 しかも表向き対等なので、そこまでの命令を下せる程、高圧的な態度を信長が見せたとは確かに思えないです。


 徳川幕府が、神君家康が正室と嫡男を始末させたという不名誉な事実を信長のせいにした事は大いに考えられるでしょう。



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