第4話 惨劇
(ビデオを再生した)
――こちら第一分隊 指令室どうぞ――
――第一分隊 今回の作戦では変異種の初期殲滅が重要となる。奴らは光のないところで天井に卵を産み付けるようだ、注意して進め――
―了解、目標地点まで到達これよりTH3焼夷手榴弾をターゲットに投擲する――
――了解、投擲しろ――
――「ヴァン、ジュワーーン、シュー―ン…」――
――ターゲット殲滅完了ッアーーー――
――第一分隊どうした、返事をしろ!――
――山里が、奴、変異種に捕まりました。あっ奴が、奴がぁ腕の毒針を山里に…やめろぉーーー――
――発砲許可を出す、撃ちながら後退、迅速に脱出しろ!――
――だめです。あー武田捕まんなぁー逃げろ!…だめだ、行くんじゃねえーー――
――こちら指令室、隊長の田中、貴様だけでもすぐに逃げろ!――
――無理です。あ…やめろ武田!そんなところで手榴弾なんか起爆したらおまえごとやられるぞ!やめっ…ドゴォ――ン。そんな、武田、山里……うぐっ、腹に奴の毒針が…バタンッ――
――おい第一分隊大丈夫か?――
――…――
(ここでビデオは終わっている)
「嘘だろ。しかもこのビデオ1週間前のものだし、もしかしたら上に…」
そう思った時にはもう遅かった。
異形のゾンビは天井に張り付いており、所々に火傷などの傷を負っていた。
「ウギャーッ、クシュ――ッ」
奇声を上げながらバイ○で言うならリッパ―のような蜘蛛のような形をした奴が飛び掛かって来た。そしてサイヤクなことにバイ○のリッパーとは違いあれは毒を持っている。
とりあえず上に走って逃げている途中、名案を思い付いた。
「焼夷手榴弾をスリングショットで打ち出して奴の口に入れられればなんとかできるかもしれない。」
我ながら名案かもしれない。
早速残り2個しかない焼夷手榴弾の一個を打ち出す。
「ヴァン、ジュワーーン、シュー―ン」
少し効いているようだ。
そして続けざまに苦しんでいる奴の口に手榴弾を打ち込む。
「ッバーーーーーン」
よし奴の頭を吹き飛ばせた。
そしてまた焼夷手榴弾を打ち込む。
「ヴァン、ジュワーーン、シュー―ン」
そして奴が苦しんだように
「ウギャギャッ、クシューーン、ギャーーー」と奇声を上げ、、、絶命した…と思われる。
とりあえず早く行かないといけないので崩落現場に急いで移動し、着いた。
がれきをどかすためこんなことを考えた。
「とりあえずここ爆破してみるか」そうして早速行動に移り、ラス1の手榴弾を崩落現場に置いていき、安全な場所まで退避した。
「ッバーーーーーン、ギシギシッ、ガシャーーン」
そう音を立てて小さいが穴が開いた。
そうすると、「大丈夫ですか――?」と尋ねてくる彼女、美香さんがいた。
そして彼女に引っ張り出してもらい、俺の格好には少しびっくりしたが、外に出た後、この格好について説明すると納得してくれ、俺のスマホでさっきのビデオを見せた。逆に彼女は「1週間前にはもういたなんてびっくりだわ。で地下は物資があったの?」と言った。
「いいや物資はなかった、だけど生き残っていけそうな強い装備は手に入れられたから十分に収穫はあったよ。」と俺は答えた。
そして少し雑談をした後彼女がたずねてきた。
「そういえばあなたの家族はどうしたの?」と聞いてきた。
「俺の家族はな、父は今福岡で別居中ですごくいろんなことで尊敬できる人なんだよ。そして母は、あれっ、」あの記憶が流れ込んで来る。できれば信じたくなかった、忘れたかったあの記憶だ。
「うっっ、、、」
「大丈夫?ごめんなさいそんなつらいことを思い出させて本当にごめんなさい。」
と彼女は謝ってくれたが
「大丈夫」と言っておいた。
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