第9話 アールトネンの生家への緋翔
馬車の客車を出ると、外の空気はひんやりとしていた。
少しぼんやりとしながら、タルヴィッカ様に手を取っていただいて客車を降りたわたしには、身体の熱が少しずつ抜けていってくれるようでありがたい。
「タルヴィッカ様。ここから、わたくしの家までは
「はっ。かしこまりました」
魔晶の力を適切に引き出し、
加えて、貴族院を無期停学処分中のわたしには、貴族には無条件で与えられる権限の多くが
ただ、生誕地であるアールトネン素領内でのみ、わたしは
✧
関所の白き
関所の
執事のエンゲルブレクを筆頭に、邸でのわたしの側付きのエイラを始め、使用人たちが跪いている。
「お帰りなさいませ」
✧
湯浴みをして、エイラが予め選んでいた礼式服に着替えた頃には、夕の刻となっていた。間もなく、お父様お母様との、久方ぶりの晩餐が始まる。
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