空を駆ける文

雪宮紫月

零話 始まる少し前のこと

「なぬ!それは本当なのか!?」

「なぜこの私が貴女に嘘をつかなきゃならない?」

「御主がいつも嘘つきが故に信用がないんじゃよ。少しは考えてみてはどうじゃ。それより、その話が本当なら妾も出られるのじゃな!?」

「嘘つきって……。ええ、本当ですし貴女も出られますよ」

「ふむふむ、良い話じゃ。では、御主よ早く創るのじゃ」

「なぜ読む側の貴女からそんなに言われなきゃならないのか分からないですが……」

「そりゃ、御主を護るものじゃ。この程度の貢ぎなど神だって気にはしないもんじゃよ」

「はいはい。とりあえず創めるので私は部屋に戻りますね」

「はーい」

……。

「あ、そうじゃ。御主よ一つ良いか?」

「どうされました?」

「妾の今日の昼ご飯じゃが、らぁめんなる物を食べたいのじゃが作ってはくれぬか?」

「袋麺で良ければ今からでもいいですけど」

「それは美味なのか!?」

「んー、美味しいですよ……貴女の口に合うかは別として」

「早く作るのじゃ!!」

「はいはい、人使いの荒い神様ですこと」

「文句など死んでからでも言えるじゃろ!早く作ってくるのじゃ!」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る