鈍感?
振り向くと、筋肉モリモリ金髪大男が俺達を見下ろしていた。やっぱりこの人ゴリマッチョだな……。
「久しぶりだな、ジーベック。」
「久しぶりっスね。というか、今日も一人なんスか?」
すると彼は口元をさらに歪めて、
「いや不正解だな。『今日は』パーティーの仲間達とここへ観戦しに来てる。今俺が一人なのは、便所に行ってきた帰りだからだ! 俺は一人じゃないぞ!」
あ、『今日は』って言ってるあたり、日頃は……アレなんだろうな……てか、便所っていうワードを大声で言う人初めて見たぞ。
「『今日は』っていつもは……あ、察し。」
アキラ……口に出して良い事と悪い事ってのがこの世には存在するんだぞ? 現に言われた本人は結構こたえてる様子だ。
「いや、まあ、そうなんだがな……いつもはまあ、『キモい』とか『オッサン臭い』とか『ア、アンタ! 近寄らない……でよ……』とか言われてるんだがよ……まあ、俺以外はほとんど女だからなんだろうけどよ……いや戦闘の時は皆普通なんだぜ?」
いや最後のやつ結構脈アリじゃねぇか。鈍感なんだな……まあ、それ以外はシンプルに嫌われてる感じがするし、無理もないか。まあ、頑張れとしか言いようがないな。
「でも、パーティーを抜けたいとかは思ってないんスよね? そんな顔してないし。」
「ああ、もちろんだ。確かに口の悪い奴等が多いが、根は悪くはねぇよ……それに、恩もあるしな。何だかんだで楽しくやってるし、依頼も失敗することはねぇ……抜けるつもりは毛頭ないぞ? って、悪い……あいつらが心配してるだろうから、俺は戻るぜ。じゃあな~。」
そう言って、彼はどこか軽やかな足取りで群衆に消えていっ……てないな。やっぱり背が高いと目立つな。さて、試合はどうなってるか……
「勝者、ショウヘイイィィィィィィ!!!」
『ウォォォォォォォォォォ!!!』
目に映ったのは地に伏しているケイタと、彼に背を向けて何とか立っている、満身創痍のショウヘイの姿だった。どちらも服に赤黒い模様を作り上げている。
しまった……肝心な部分を見逃してしまった……すまない、ショウヘイ、ケイタ……何があった?
「おいアキラ、何があったか見てたか?」
「すまねぇ。見てなかったッ! なあそこのオッチャン、一体何があったんだ!?」
「! ……わからん……ッ! 向かい合った状態から両者動いたと思ったら、気付いたら位置が入れ替わってて、そしたらデカイ方が倒れたんだ……!」
どうやら最後は、一般人の目には何が起こったのかわからなかったようだ。まあ、両者すれ違い様に攻撃を仕掛けたのだろう……くそ、一番大事な場面を見逃してしまった。
「ありがとな、オッチャン!」
「どうもッ!」
視線を戻すと、二人が医療班らしき人々に運ばれているのが見えた……大丈夫か?
「おいソウタ。謝るのは後にして、俺達も、もうそろそろ待機場所に向かうぞ! つーかまだ戦ってない出場者がここにいること自体おかしいっちゃおかしいんだが……。」
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