宝箱
宝箱 (0)
カテゴリ 宝箱
持ち主 無し
いいものが入っているかもしれない箱。罠などの仕掛けは無くミミックもいない。
当たりだ!と思って、それを開けるために扉を手から離して宝箱に駆け寄ると、俺の背中に衝撃が走った。
「な!?」
体勢を崩しはしなかったものの、突然のこと、しかも大丈夫だと思っていた時に受けた衝撃に、俺の心臓はバクバク鳴っている。
後ろを振り返ると、さっき俺が開けて、今は閉まっている両開きの扉の裏に、大きな白い五芒星が描かれているのが見えた。
「なるほどな、宝箱というエサに食い付かせてドアを閉めさせる事で、後ろから気づかれずに罠を発動させると…………俺みたいな『鑑定』持ちでも罠に嵌められるってか。」
とりあえず、扉は『酸弾』を打ちまくって破壊しておいた。
罠に嵌められた俺だが、傷を負ったわけではない。そして宝箱は目の前にある。開けるか。
…………いや、ちょっとまてよ?
『鑑定』でわかった事は、宝箱自体に罠が無いということだけで、それ以外はわかっていない。
だから、宝箱を開ける事で光が遮られて罠が発動する、みたいな事もあるかもしれない。
どうする、開けるか?
………………って、わざわざここで開ける必要があるのか?宝箱をダンジョンの外に出せば仕掛けはおそらく発動しないだろうから、
(水魔法)
水で流せば良くね?……うんうん、問題なし。では、開けるか!
…………中には一枚の布っぽいものが入っていた。何だろう、スキルのスクロールとか、超貴重な素材みたいなやつだろうか。期待を膨らませながら『鑑定』すると、
雑巾 (0)
カテゴリ 布
持ち主 無し
ダンジョンマスターが挑戦者の期待をへし折るために、宝箱の中に入れた綺麗な雑巾。
俺はこの雑巾をビリビリに引き裂いても許されるだろうか。酸で溶かすのもアリかな。
……っていかんいかん、感情を上手くコントロールしなければ……………………ふう。
テキストを読んでわかったが、ダンジョンマスターが存在するのか。
こんな罠を思い付くということは、おそらくダンジョンマスターは知能を持った何かだな。もしかしたら人間かもしれない。
もしもこの世界に雑巾という概念が無いのなら、十中八九異世界人だろう。スキルは、『ダンジョンマスター』と言ったところだろうか。
俺はまた広間に足を踏み入れる。扉は破壊したので、罠は発動しなかった。
奥に階段を見つけたので、水の板で自分を守りながら下りて行くとまた広間に着いた。
今度は扉も宝箱も無い。奥には下へ続いているであろう階段が見える。
そのとき、目の前に突然魔物が出現した。
紛うことなく、それはドラゴンだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます