最後の魔法使い。(北の国)
あかる
第1話 誰かの声
もう何も見えなくなってからどれくらいの時がたったのだろうか。
時間の感覚など、とうの昔になくなっていた。
何も見えない、聞こえない。
けれど、考えることだけはできた。
たまに思考が停止する。
その時はきっと、私が使われているということなのだろう。
もうすぐ、私の意識が全てなくなる時が来る。
そんな予感がするのだ。
その前に、誰か。
誰でもいい。
どうか、私を殺してください。
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