第13話 聖夜<クリスマス>(3)
プレゼントを交換し終わった俺達は、俺の部屋に行き寝る準備をしていた。さすがに同じベッドで寝るわけにもいかないので部屋の床に布団を敷き、俺はそっちで寝ることにした。布団に入った後もこころと話しているとだんだん眠くなって瞼が閉じていく…と思っていたのだがなぜか眠れない。こころはそろそろ寝ているだろうな。
「起きてる?」私は眠れなくて悠斗が起きているかを確認した。「起きてるよ。こころも寝れないのか?」と、彼も眠れないのか返事が返ってきた。「何かあったか?」彼は心配そうに聞いてくる。「ん~ん違うよ。ただ緊張してるのか眠れなくて。悠斗も眠れないならちょっと話さない?」と眠れない彼に話しかける。すると彼はこちらを向いて「そうだね。話そうか。」と言った。話をするとは言ったものの何を話そうか考えていると、「こころは…大学とか将来の夢とかは、決まってるのか?」その質問に私は少し頭を悩ませ「大学は決まってないけど悠斗と同じがいいな。でも、夢ならできたよ。」と答えた。「大学は俺もまだ決まってないな。それに将来なりたいものも特には思い付かないな。…で、こころの夢って何だ?全く想像できないんだけど…」それを聞いて私は「夢はまだ言わないよ。その時が来たらちゃんと教える。」と笑ってはぐらかすのだった。
そうして二人で話しているとスマホから通知音が鳴った。こんな時間に誰だと思いながら相手を確認する。「星夜か…」内容はこうだ。「クリスマスに彼女とお家デートしてる悠斗に助けて欲しいことがある。」と送られてきた。「助けて欲しいって、何があった?後何でデートしてんのバレてんだよ。」…デートすると言った覚えはないんだが…「え?マジでデートしてたの?ちょっと鎌かけただけなんだけどな(笑)で、助けて欲しいってのは夏菜から告白されたんだけど受けて良いと思う?」…あいつ後で覚えとけよ…と思いながら返信する。「お前が好きだと思えるのなら受けても良いんじゃないか?相手のことを愛せないのに付き合ったって意味はないだろ。」と返し俺はこころに向き直る。「俺のクリスマスを幸せなものにしてくれてありがとう。こころ。」と率直に彼女に感謝する。「こちらこそ楽しかったよ。ありがとう。」と、にこやかにそして可愛らしく微笑んでその言葉を彼女は口にした。「これからもよろしく。大好きだよ悠斗…」俺は少し顔を赤くしながら「俺も大好きだよこころ。こちらこそよろしく。」赤くなった俺達の顔を明るい満月が照らしていた。
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