-48- 「深夜のマラソンマン」

 深夜に眠れなくて起きてると、時々窓の外から道を走る足音が聞こえて来る。


 カーテンの隙間から覗くと、暗い色のジャージを着た男の人が、ハアハア言いながら走ってる。


 そして、うちの前を通り過ぎて数秒後、ぐしゃっと音がして静かになる。


 お父さんに聞いた話だけど、僕がまだ小さかった頃、深夜にジョギングをしていた人が、近くの交差点で亡くなったらしい。

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